ひみつ基地。が“古民家カフェオープン”の夢を叶える YouTuberイベントの新しい形を考える

 2024年7月、YouTuber「ひみつ基地。」が念願の夢を叶え、古民家カフェをオープン。90名ほどの視聴者を招待し、食事付きオフラインイベントを開催した。2年という年月をかけて実現した古民家カフェオープンまでを振り返りながら、YouTuberが仕掛ける新たなイベントの形を考えてみたい。

 田舎暮らしに憧れて古民家を購入し、最強のひみつ基地を作ることを目指すれんたろうと、古民家でカフェオープンを目指す料理人のうがじんによるコンビYouTuber「ひみつ基地。」(チャンネル登録者数153万人/2024年8月8日時点)。2021年12月、節約料理動画からはじまった同チャンネルは、れんたろうとうがじんのルームシェアや車中泊動画などに内容を変えながら、その時々のふたりの夢に向かう姿を映してきた。

【当日】ずっと夢見ていた日が来ました。自分たちのひみつ基地に古民家カフェをオープンします!

 れんたろうとうがじんは2022年6月に古民家を購入したことを報告すると、カフェオープンに向けて改装をスタート。途中、れんたろうの家族が交通事故で命の危機に陥ったことから半年ほど活動休止したこともあったが、2024年2月に無事活動を再開すると、4月には2年ほどかけて作り上げた古民家カフェが完成したことを報告し、オフラインイベントを開催することを発表していた。

【夢叶う】3日間の古民家カフェ営業を振り返る!ビールと料理で大反省会が楽しすぎた!!

 7月23日に投稿した動画では、古民家カフェで行われたオフラインイベントの模様を公開。同月5日から7日までの3日間にわたり行われたこのイベントには、抽選で選ばれた視聴者約90名が参加し、動画に登場するピザ窯やサウナ、動画の撮影場所をめぐる古民家ツアーや、メンバーとの写真撮影やグループごとのグリーティング、うがじんの作った料理を楽しんだ。この日に振る舞われたのは、ラード唐揚げやサーモンレアカツにタルタルソース、生姜焼き、自家製キムチ、手作りの味噌を使った牛骨味噌スープなど過去動画に登場した料理ばかり。ふたりが作ったテーブルの上に並べられた料理を、参加者たちが嬉しそうに残らず平らげ、料理を作ったうがじんはもちろん、れんたろうも終始笑顔。何よりも、いつもは「古民家にお店を出したい」と締めの挨拶をするうがじんが、この動画の最後では「古民家にお店を出した」と発したことは、視聴者も感慨深かったようだ。

 東海オンエア・りょうやヒカルをはじめ、さまざまなYouTuberが飲食店などの実店舗を手がけている昨今。こういったお店を訪れることはファンの推し活の一部になっており、聖地巡礼スポット的な意味合いがある。一方、ひみつ基地。の古民家カフェはオープンという表現はされているものの、動画撮影の場所であることや立地条件から常設はされていないという珍しいケース。後日公開された反省会では、うがじんが今回のイベントのために(飲食店)営業許可をとったことを明かしており、古民家カフェは聖地巡礼スポットというよりも、ふたりと視聴者を繋ぐアイコンであると感じられる。

 しかしながら特筆すべきは、オフラインイベントにおける新しい試みではないだろうか。コロナ禍を除き、YouTuberに会えるイベントは年間を通して至る所で開催されているが、その内容は、トークや楽曲の披露、視聴者参加型のゲームなどがほとんど。ひみつ基地。のような撮影場所の見学はもちろん、クリエイターお手製料理が食べられるというイベントというのは非常にレアなのだ。

 今回のイベントはこの2年間、料理と古民家改装を中心にコンテンツを作ってきた同チャンネルならではのものといえるが、古民家の一角や料理など「あの動画でみた!」という喜びを感じられる同イベントは、YouTuberのイベントにおける新しい事例といえるだろう。

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