『Weekly Virtual News』(2024年5月13日号)

日清『U.F.O.』CMでP丸様。が“匂わせ”、『VRChat』はついにiOS対応 変化続くバーチャル業界

『VRChat』がついにiPhoneへ上陸? 日本語対応と合わせて、敷居が“ついに”下がるか?

 『VRChat』は突如、iOS版のクローズドベータテスト実施を発表した。すでにAndroidスマートフォンでプレイできるようになった『VRChat』だが、日本人にはおそらくiPhoneのほうがなじみ深いだろう。いまのところはテスト段階で、正式リリース時期も明らかになっていないが、近づいていることはたしかだろう。

 そして、日本語対応はより近くに迫ってきた。『VRChat』のオープンベータ版にて、メニュー等の全域に渡るローカライズ機能が配信。これまで英語一択だった『VRChat』に、比較的違和感の少ない日本語が並ぶようになった。「Join」という独特な表現も「ワールドに入る」といった平易な表現が採用され、いまから始める人にやさしいユーザーインターフェースとなった。

 「iPhoneでもアクセスできる」ことと「日本語に対応している」こと、この2つの条件がそろうと、これまで日本人の前に立ちはだかっていた、代表的な参入障壁が一気に崩れることになる。アクセス面と言語対応だけでいえば、国産メタバースの『cluster』とほぼ同等の水準になる。

 ここから、新たなユーザー層の開拓につながるかどうか――筆者は「少なくとも新たなコミュニティができる」と踏んでいるが、読者のみなさまはどう思うだろうか。

Nianticの位置情報ゲームがMRアプリに発展 仮想のペットと自然にふれあう小気味よさ

 NianticのAR位置情報ゲーム『Peridot』は、MR(複合現実)へと歩みを進めた。『Meta Quest 3』向けのアプリ『Hello, Dot』が発表されたのである。

Hello, Dot – A Mixed Reality Peridot Experience from Niantic

 『Peridot』は、「ドット」という生き物とのふれあいを楽しむことができるアプリゲームだ。「ドット」はカメラで認識された現実世界の上に現れ、現実世界のオブジェクトも認識して、活き活きと存在する。Nianticの代表作である『ポケモンGO』ともまた方向性の異なるゲームであり、生成AIもギミックに取り入れつつ、運営は1年目を迎えようとしている。

 『Hello, Dot』では、『Meta Quest 3』のMR機能を活用し、「ドット」が眼前に現れる。それどころか、両手に乗っかり、抱き上げ、なでることもできる。スマートフォンの画面越しに指で触れるのではなく、MRヘッドセットの視界越しに両手で触れられる。没入度が一段階上がった体験を楽しめるのだ。

 モノとしては「ショーケース」と呼ぶべき簡素な内容だが、いざ自分の手で直接「ドット」にふれて、なでてみると、その自然な操作感と、体験の小気味よさに驚かされる。仮想の生き物と自分の手でふれあうというシンプルな体験こそ、現実と入り交じるMRにはマッチしているかもしれない。派手さはなくとも、自然であることで体験の質が向上することは、『Vision Pro』の体験でも味わったばかりだ。

空間コンピューティングは“自然である”ことと見たり――VR愛好家による『Apple Vision Pro』評

筆者は2018年よりVRデバイスを愛好している。これまで買ったVRヘッドセットは10台以上。先日は『Bigscreen Beyo…

関連記事