ぶいすぽっ!メンバーたちが確かな実力を見せつけた 『RAGE VALORANT 2024 feat.VSPO!』現地レポ

対戦相手を圧倒してみせたぶいすぽっ!メンバーたち

 そうして迎えた大会当日。その磨き上げたチーム力で、対戦相手を“粉砕”していくことになった。

 まずはキャスターチームとの第1戦。この1ヶ月のカスタムマッチでたびたび対戦相手となっていたyueへの「ヘッドライン合わせ」(※)イジリを挟みつつ、一見するとリラックスしているようにも思えた5人。しかし、実際にはどこか口調が落ち着かず、少し緊張気味のメンバーも何人かいたようにも感じた。

(注釈:yueが数年前にSNSへ投稿したとある構文。チーム練習の際に相手として参加した際、チャットにそれを貼り付けたことでぶいすぽっ!メンバーからかなり気持ち悪がられた。そのときの意趣返しとして、この日はぶいすぽっ!側がそれをイジっていた)

 XQQは「1キルとったら緊張は取れるから」と話していたが、まさにその言葉通り。序盤のピストルラウンド、中盤での少人数戦など、キャスターチームとの打ち合いを次々と制し、5人が死ぬことなくラウンドを取る「パーフェクト」を連発。

 13本先取のマッチを9-3で攻守交代で折り返した後も気を緩めることなく圧倒してみせた。

 この戦いでのハイライトといえば、14ラウンドから16ラウンドにかけて、胡桃のあが見せたプレイングだろう。以前からスナイパーライフルを得意としていた彼女だが、この3ラウンドではオペレーター/アウトローを使って中遠距離から何人もキルし、スモーク越しに相手をキル、しまいにはスキルを使って敵を発見したあとに近距離ながらもオペレーターを持ち替えてキルしてみせるなど、とんでもないハイライトシーンをうみだした。スコア面においても、フタを開けてみれば20キル以上を叩き出し、みごとな圧勝劇の立役者となった。

 2戦目に登場したストリーマーチームは、トナカイト、ボドカ、鈴木ノリアキなどぶいすぽっ!メンバーとも旧知の仲のメンバーが揃っており、特に夢野にとってはMOTHER3と、白波にとってはゆふなと、自身の配信活動でも欠かすことのできないメンバーとの対決にもなった。

 旧知の間柄、だからこそ負けられない。そうしたムードでスタートしたわけだが、ここでも胡桃のあの勢いが止まらない。

 この日のために仕上げてきたヨルを使って相手をかき乱し、おなじくデュエリストを扱う夢野とブリーチを使う紡木とともにストリーマーチームへと襲いかかり、テックポーズを挟みながらもスコア7-0と圧倒していったのだ。

 紡木が途中まで9キル0デスというスコアを叩き出せば、胡桃がエース(1人で敵5人全員をキルする)を決めてみせるなど、ぶいすぽっ!チームがこのまま一気に勝負を決めてしまうかと思われた。

 先ほどと同じ9-3で攻守交代で折り返すが、対戦前にトナカイトが「Aサイトで待ってるからな!」と口撃していたことをうけ、ぶいすぽっ!チームがAラッシュを狙ったところ、ストリーマーチーム残り4人がうまく周囲から襲撃し、まさかのパーフェクトで後半戦をスタートした。

 この奇襲をキッカケにして1-4と勝利を重ね、合計10-7まで試合をまくったストリーマーチーム。ここで待ったをかけたのが、やはり胡桃のあだった。

 Bサイト壁際の耐えポジションからの4キルでマッチポイントまで到達。ラストラウンドはチーム内でもっとも後輩である紡木が粘りに粘り、ヘルプに来た八雲べにが1vs2の状況を制し、13-9で2勝目をものにした。

 元プロチームとの最終戦は、まず元プロチームのキャラピックに会場がおどろかされることになった。SCARZ・Crazy Raccoonに所属して『VALORANT Champions 2021』まで進出したAdeが最新キャラのクローヴを、『Overwatch』のプロリーグ「Overwatch League」に日本人初めて参戦したta1yoがネオンと、なんともイレギュラーかつ変則的なキャラピックをしてみせたのだ。

 序盤はサイファーを使うClutch_Fiのラーク(味方から離れて単独で行動する遊撃役)が刺さり、2-5と元プロチームがリードすることに。その後タイムアウトを取ったぶいすぽっ!チームにXQQがチームにアドバイスし、戦略や狙いを整理して絞らせると、タイムアウト後は立て続けに3ラウンドを連取して、5-5まで持ち込んだのだ。

 その後の両チームは、ハイライトを連発していく。SurugaMonkeyが2段(一箇所に対してふたりで待ち構える戦術)を組んだぶいすぽっ!チームを2発で倒すなどのクラッチプレイを決めれば、ぶいすぽっ!チームも磨き上げた連携でラウンドを獲得していき、一進一退の攻防が続いた。

 最終的には、元プロチームが9-13で勝利を収めた。両チームを分けた差は、試合後にぶいすぽっ!メンバーとコーチのXQQが語っていたように、少人数戦における地力の差だったといえよう。相手との撃ち合い・スキルの当て方・どのように立ち回っていくかなど、とっさの勘と経験はさすがに元プロチームに大きな分があったようだ。

 とはいえ、SurugaMonkeyとClutch_Fiが対戦が終わったあとのインタビューで「負けるかと思った」「もしもBO3だったら負けてた」と口にしたように、ぶいすぽっ!チームの完成度・威圧感はかなりのものがあったようだ。

 3戦ともに見どころの多い試合となったわけだが、それ以外でもMC・実況・解説を務めたOooDaとTORANECOのコメント・各メンバーへのイジリが会場で大ウケするなど、真剣勝負をしっかり解説しつつも様々なユーモアを挟み、より楽しく観戦できる空間が生み出されていた。

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