TikTokで話題の「真上フォト」はカードゲームと同じ構図? Xとの反応の違いが面白い
TikTokユーザーの間で、広がりを見せる「真上フォト」。2024年3月25日放送の『めざましテレビ』(フジテレビ系)では、若者の認知度73%と紹介されていたが、ご存じの方はいるだろうか。
「真上フォト」とは、テーブルの上の荷物置きにスマホを置いて、食事の様子を真上から撮影する技法のことだ。(料理中の風景を撮影している人もいるが、多くは食事中)。
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「真上フォト」の魅力は顔を隠しながら、映える撮影ができることだ。隣にカメラがあると、食事をしている最中も表情を気にしなければならないし、利き顔じゃない方向から撮られたら最悪だ。その点、真上からの撮影だと、表情を気にする必要もない。顔を映したいときだけ上を向けばいいから、ずっと気を張らなくていいのだ。加えて、頼んだ料理が、すべて見えているからだろうか。どんな順番から食べたかも記録することができるので、個人的な思い出としても残しやすい。
また、「真上フォト」でバズるために欠かせないのが、テーブルの色味だ。パッと目を引くものだと、たくさんの投稿のなかで目立つことができる。たとえば、ブラウンやホワイトなどの一般的なテーブルよりも、鮮やかなグリーンやオレンジなどのパキッとした色味の方が、「オシャレ!」とクリックしてみたくなる。
すると、結果的に再生回数が伸びていくというわけだ。映えを狙うTikTokユーザーたちがチェックしているのは、料理のオシャレさだけではない。テーブルの色味もマストで抑えなければいけないようになっている。
そんな「真上フォト」に、どこか既視感を抱いた人もいるのではないだろうか。筆者も、検索する前は異文化に触れるような感覚になるんだろうなぁと思っていたが、「なんか、なんかで見たことがある!」と。aikoの「ストロー」のMVで、同じような視点からの動画があったため、「だからかな?」と勝手に納得していたのだけれど、「真上フォト」をXで検索してみると、新たな気づきが。
ポケモンカードのリモート対戦(通称:リモートポケカ)や、遊戯王リモートデュエル(通称:リモートデュエル)をするときに、この「真上フォト」の構図が使われているのだ。(※)
(※)リモート対戦とは、離れた場所にいる他のプレイヤーとカードゲームの対戦をすること。その際にスマホで盤面を俯瞰して撮るケースが多い。
そのため、Xでは「ポケカの対戦にしか見えない」「既視感あると思ったら、リモートデュエルだ」とツッコミも。
普段、異なるエンタメカルチャーに触れている人たちが、偶然にも同じ構図を好んでいる珍しい状況だ。ただ、同じ構図でも「映える写真が撮りたい」真上フォトユーザーに対して、「盤面を正確に把握したい」カードゲームユーザーは、利便性を求めているのだ。
まったく同じ構図でも、楽しみ方や求める用途には大きな違いがあった。もちろん、どちらが良いという訳ではない。ただ、全く興味のない界隈や流行にも、案外自分と重なる点があるものだ。発見すると意外と面白いため、これを機会に是非目を向けてみてほしい。