アーティストの負担を減らし、創作活動に没頭するためにーーDIYアーティストが選ぶべきパートナーとは?
Artist DirectとArtLedがDIYアーティスト向きな理由
――Artist Directを使うことで、アーティスト側にはどんなメリットがあるのでしょうか?
垣内:まずは、全世界のDSPへの音楽配信が一括でできること。欧米のみならず、中国、韓国、台湾、東南アジアにインドやアフリカ・中東などのローカルDSPにもリーチしています。
各DSPへのデリバリーは全て自社システムより直接コントロールしていますので、万が一修正が発生したり、音源を差し替えたい場合などには、我々の手元ですぐに対応が可能です。オペレーションの部分でも楽曲配信をする際の設定などは、なるべくアーティストの方々には手間がかからないようにして、クリエイティブに専念してもらえるような環境作りを心掛けています。
また、音楽配信に加えて、著作権管理も様々なプランからそれぞれに合った形で自由に管理方法を選択して頂けるようになってる点も大きなメリットかと思います。海外地域の著作権使用料に関しても当社スキームにより徴収が可能です。
――その他にもプロモーション周りのサポートも充実している印象です。
垣内:はい。まずは、プレイリストの採用確率を上げていくという点で、DSPへのプロモーションは特に注力しているポイントです。単純なエントリーやピッチングだけでなく、個別に楽曲やアーティストのプレゼンテーションなども行っています。とにかく、アーティストさんの魂のこもった楽曲の温度を下げずにDSPまで届けていきたいです。
あとは他にも、独自のメニューがあります。Spotifyでの音声広告や、ラジオプロモーション、SNSでの広告展開にも力を入れています。あと、広告に関してはあわせて著作権まわりの処理も的確に必要になりますが、当社で管理させて頂いている場合には柔軟な対応が可能ですので、例えば、タイアップのときのエントリーがしやすかったり、プロモーションの機会も創出しやすくなっています。そういった安心感もアーティストさんにとっては、大きなメリットになるかと思います。
加えて、著作権で言うと一般的には音楽出版社経由で管理事業者へ著作権の管理を委託する流れが多いかと思いますが、Artist Directの場合は、NexToneに直接作品の管理を委託することも可能です。効率的な仕組みなので、是非ご活用頂きたいところですね。
――改めて、ArtLedとArtist Direct、NexToneの関係性を教えていただけないでしょうか?
垣内:ArtLedに関してはコンテンツの制作活動資金のサポートを行うこともあれば、メディアのプロモーションをサポートするエージェント的な立ち位置で交渉に入ったり、フェスやイベントへのブッキングなどもアプローチしていくこともあります。マネジメントとレーベルの中間のような立ち位置でしょうか。その分、手数料を通常より多めに頂いていますが、条件については、我々の役割も明確にしながらお互いに納得できるまで話し合いを行った上で、シェイクハンドできたアーティストさんに対してより深いサポートを行っています。
――NexToneのサービスはある種ボトムアップ的にアーティストを幅広く支援していくなかで、シーン全体の底上げみたいなことをやっていらっしゃるイメージがあります。その辺りは理念的なところとも通じるのかなと思うのですが、いかがでしょうか?
垣内:そうですね、ディストリビューターの選択肢も多くなっている分、本当に信頼できるパートナーを見つけるのに時間がかかり過ぎてしまって、結局いろいろなところを転々と……そんなケースは良くあると思います。
アーティストさんと話しをしていると、皆さんとても自主性が高く、自分たちの考えやブランディングもしっかりされています。もはや経営者ですよね。目標の実現に向けて、資金調達や税務関連の相談を受けることもあります。そういったバックオフィス的な機能も含めて、アーティストさんの活動全体に貢献させて頂く事によって、長期的に信頼できるパートナーになりたいと考えています。
我々のサービスは「このシステムを使ってください」というよりは、人が関わることによってよりシンプルかつ、オーダーメイドにカスタムしていくことができるというものなんです。アーティストによって、それぞれゴールや目指す場所は異なりますし、長期的なものなのか、短期的なものなのかによっても抽出するべきデータや取るべき戦略が異なります。どんな課題を抱えているのかというのをしっかりとヒアリングして、我々もそれを一緒に受け止めて考えていける体制を意識しています。