『フリースタイル日本統一』#19ーー「大谷 SHO-TIME」に「打ち返す村上さん」野球ネタの応酬に

KANDAI v.s. Sirogaras……審査員が“延長”か“6人目の審査員”求めた互角の戦い

 前回の【#18】に引き続き、TEAM東海(呂布カルマ×泰斗a.k.a.裂固×楓×KANDAI×歩歩)とTEAM兵庫(CIMA×P-PONG×Sirogaras×FEIDA-WAN×だーひー)が、準決勝(五十万石の戦い)で対戦中。KANDAIが破竹の勢いで3連勝を見せつけたのが、前回の【#18】。独壇場をなんとか崩すべく、TEAM兵庫はここまで温存していた、黒星ゼロの若頭・Sirogarasをいよいよ投入するほかない状況に。先攻は、Sirogaras。ビートは、MACCHO, NORIKIYO, 般若& DABOによるクラシック「Beats&Rhyme」。この番組で全国に名を知らしめた、“若手頂上決戦”の火蓋が切って落とされた。

Sirogaras:姫路を飛び出し中国 飲み込み九州を吸収 それだけだ 全てをレペゼンここにいる ここで諦めるバカどこにいる

KANDAI:諦めるわけがねぇ Beats&Rhyme まずは喫煙タイムでナイスなChillお前がSirogaras 俺は黒いカラス FKIヤバいって俺が分からす

Sirogaras:お前「煙はいらない」とか言ってんのにSmoke 嘘つき どうもお疲れ お前を殺すぜ テクニカル 俺が本物これで煙に巻く お前はそういう感じ 全て消えるぜ 蜃気楼

KANDAI:分かってるお前が分からしてるスキル でも俺の方がGoodな Smelll

Sirogaras:スキルじゃなく覚格が歴然 負けたらオカンに顔向けできへん

KANDAI:くそったれた現状 ガサ入って母ちゃんも泣かせたこともあったよ HIP HOPをやって母ちゃんを泣かした分 HIP HOP Dream 掴んで母ちゃんを笑わす

 最後には、ハンドシェイクで終わったバイブスのぶつかり合い。上記のハイライトだけでも伝わるかと思うが、実力が拮抗した疑うことなき互角の対決だった。通常の大会であれば、間違いなく延長にもつれこんでいたはず。そんな感想をバトル後、審査員のGOCCIも“延長ボタン”か、延長の展開を作れる“6人目の審査員”を追加してほしいと、同じように代弁してくれていたのが面白い。

 また、“若手”という話であれば、控えベンチに座る泰斗a.k.a.裂固や楓の姿も印象的だった。対戦チーム側であるSirogarasのラップに対して、まるで自身がステージに上がっている張本人であるかのようなひりついた表情で、しっかりと耳を貸している。〈負けたらオカンに顔向けできへん〉のラインは特に、“うん、うん、いや、そうだわ……”と、Sirogarasの“ヤバさ”に対する反応がわかりやすく顔に書いてあった。

 さて、結果は……3-2で、KANDAIの勝利! Sirogarasには、番組内でついに黒星がついてしまった。お互いの問いかけを酌み交わしたこのバトルだが、“母親”のトピックでぶつかった最終バースの熱量が、勝敗を分けるわずかなポイントになったか。そしてKANDAIは、TEAM兵庫の“四天王”全員を倒し、初戦から対戦を希望していたチャンピオン・CIMAを、バトルの場にようやく引き摺り出す。有言実行のラッパー。だが、その後の展開は思うようにいかず……。

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