『Apple Vision Pro』がついに発売、屋外利用もチラホラ 国内3Dモデル市場は順調に拡大中
老舗百貨店は3Dアバターのラインナップを拡充 3Dモデル市場は順調に伸長
昨年10月に3Dアバター市場へと本格参入した大丸松坂屋百貨店は、2月2日に第2弾となるオリジナル3Dモデルを発売した。ラインナップは全4体で、今後追加で1体発売を予定しているとのこと。価格は第1弾に引き続き3万円代のいわゆる“ハイブランド帯”となり、「正装」というコンセプトも共通している。
筆者も実際にサンプルを試着してみたが、正統派だった第1弾とは異なり、第2弾はかなりエッジの効いたデザインが多い(強いて言えば第1弾の『瑚紅姫』が傾向として近い)。可動する蝶のようなパーツがついていたり、クラゲを呼び出したりするなど、ファンタジーな仕掛けがほどこされているものもある。シンプルなスーツやドレスにとどまらない、様々なベクトルで解釈された「正装」が楽しめるラインナップだ。
なお、今後さらに第3弾アバターも2体発売予定とのことで、大丸松坂屋百貨店ブランドのメタバース向けアバターは一気に12種類がそろうことになる。そのうち2体ずつが共通規格の身体構造となり、衣服データの互換性を担保するとのことで、ユーザーに根付いた改変(着せ替え)需要にもリーチしようとしている。一度きりの発売で終わらず、継続した取り組みでファンを獲得していく、メタバースビジネスの模範的なルートを進んでいる形だ。
取扱高は24億円から31億円に伸長 国内最大3Dモデル市場の動向を読む
前述の大丸松坂屋百貨店アバターも販売されているECマーケット『BOOTH』からは、3Dモデルカテゴリ商品の取り扱いデータをまとめた「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書2024」が発表された。昨年発表されたものに、2023年のデータを追加した最新版データとなる。国内最大の3Dモデル市場の動向が、具体的数値とともに読み取れる貴重な資料だ。
具体的には、3Dモデルカテゴリ商品の取扱高は24億円から31億円に、注文者数は12.9万人から14.8万人に伸長。伸び幅は昨年にやや劣るものの、着実に市場が大きくなっている。年間支出額が高額なユーザーも地道に数を増やしているようだ。
また自分以外のユーザーに商品をプレゼントすることができる「ギフト機能」の利用率も発表された。こちらも順当に利用者が増え、2023年12月はキャンペーン効果によってか、3Dモデルカテゴリ全体のうち10%超の注文を占めたようだ。「アバターや服の3Dモデルをプレゼントする」という文化が根付くきっかけとなるだろうか。
こうした現状をプッシュするべく、『BOOTH』公式も尽力している。『VRChat』での公式ワールド展開や、クリエイターのメディア露出、そして3Dアバター作成ツール『VRoid Studio』への「フルスクラッチアバター向け3D衣装フィッティング機能」の実装など、3Dモデルを使うユーザーへの訴求を加速している状態だ。クリエイターもプラットフォームも一丸となり、メタバース向け3Dモデル市場の成長は続いていきそうだ。
『VRChat』の“正装”にふさわしいこだわり 大丸松坂屋百貨店オリジナルアバター試着レポート
老舗百貨店・大丸松坂屋が、ソーシャルVR『VRChat』向けにアバターの販売を開始する――これだけでも十分おどろきのニュースだ。…