連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」(第12回)
職場に調理家電を持ち込み「サラメシ」を作ってみたら、思った以上に幸せになった話
リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。
第12回は最近、誕生日を迎え「上がるのは年齢と血圧と血糖値」ばかり……と我が身を振り返り、健康にも少し気遣い始めたガジェット担当の小川が調理家電をレビュー。
電気圧力鍋を使ってサラメシ作りに挑戦!
学生時代には社員食堂や、会社近くの名物ランチを探索したりという社会人ランチを夢見ていたが20年以上経っても実現せず、ほぼコンビニ食で済ますという日々を過ごしてきた筆者。コンビニも無論、手軽で美味しいのだが、長年ルーチン化したランチタイムに、そろそろ変化が欲しいところ。週末は自炊するので料理自体は嫌いではないが、普段の日は慌ただしい朝を迎える筆者にとって弁当を作るという選択は正直、厳しい。
そんななか、白モノ(家電系)も担当する編集者としてふと思ったのが「調理家電を職場に持ち込んでレビューを兼ねてランチも作ってしまったら……」というアイデア。そこでお借りしたのはシロカの電気圧力鍋『おうちシェフ PRO(Mタイプ)』だ。落ち着いた洒落たデザインと、これ一台で煮る・蒸す・焼くなど10役をこなし、圧力機能としては最高圧力95kPaでイワシの骨まで柔らかく、タンシチューなどもトロトロに煮込んでくれるというスグレモノ。
本格料理までこなせるが、今回は職場で気軽に作るというのをテーマに、メニューは「ミネストローネ」をセレクト、しかも“包丁も水も使わない”という、実験的なチャレンジをしてみることに。
職場でもさっと作れる、包丁も水も不要のミネストローネ
いまでこそ、当たり前のように目にする料理「ミネストローネ」だが、ルーツはイタリアの家庭料理。具材は特段決まっているわけでもないらしく、まぁイタリア版のごった煮という感じ。この『おうちシェフ PRO(Mタイプ)』には具材を入れたら後はボタン押すだけでオート調理してくれるメニューもあり、「ミネストローネ」もそのひとつ。
というわけで材料として用意したのはトマト缶、トマトジュース、ベーコン、冷凍ブロッコリー、キャベツ、ミックスビーンズ。調味料はオリーブオイル、チューブにんにく、コンソメの素。
まずは最高温度200度まで設定可能な「炒めモード」にしてオリーブオイルでニンニクを炒め、そこにベーコンを投入して炒める(そのまま全部投入して、オートモードで煮込んでも良いが、ベーコンを炒めると香ばしさが出るうえに、メイラード反応で旨味が増す)。そこにトマト缶を投入し、トマトジュースを入れて豆、ブロッコリー、手でちぎったキャベツを入れ蓋をする。
後はオートモードで「ミネストローネ」の番号を選んでボタンを押すだけ。あっけないほど簡単で、後は出来上がりを待つだけ。オートモードでは圧力は70まで到達していたが、ほとんど音もせず、蒸気孔から煙がでるような場面もなかった。横で作業をしていても、イヤホンで音楽を聴いていたらまったく分からないレベル。それと(料理にもよるだろうが)ほぼ匂いも漏れていなかった。これはちょっと驚き。
原稿作成や入稿などをしながら40分程で、調理完了のチャイムが鳴る。思わず蓋を開けたくなるが、ちょっとだけ我慢。(圧力機能を使った場合は減圧後でないと蓋を開けるのは危険)。それでも20分程、編集作業をしていると減圧ピンが下がっていた。時間は丁度、13:00でうってつけのランチタイムだ。
器に盛り付けてパンを添えたら、ちょっとしたお洒落カフェのメニューみたいに。とてもさっきまで編集作業に忙殺されていた職場とは思えない。証拠写真的に引き目の写真も抑えたが、他の編集部員やエンジニアが一緒にいる職場環境で美味しそうな料理が完成した。
タイパ抜群、手間なしで健康的なメニューも作れる
スプーンですくうと具材がぎっしりとお目見え。見た目も食欲をそそる。一口含むとトマトの旨味や酸味をベースに野菜の甘みや、肉のジューシーさが渾然一体に。滋味あふれる味。また、今回はトマト(ジュース)のグルタミン酸、ベーコンのイノシン酸の組み合わせで旨味を増幅させて、塩気はベーコンから得たのだが、圧力をかけて煮込まれているので豆などにもしっかり味が染み込んでいた。
これで作業時間は全工程でもわずか数分程度、後はほったらかしで良いというのがあらためてありがたかった次第。また、普段は不足しがちな野菜なども、しっかり摂れるのがうれしい。今回はパンを添えたが、ペンネなどを一緒に煮込んだらボリュームも補える一品となる。
調理家電を活用して職場の食レベル、コミュニケーション力向上を
今回はやや無茶ブリ的な条件で実験してみたが、正直言ってそこまで大変さはなく、むしろコンビニでアレコレ悩んだり、行列待ちになるくらいなら、食材投入して後は作業している方が効率的だし、また、出来上がりまで気合入れて作業しようという張り合いにもなるしメンタル的にも良かった。そして、自分で栄養バランスを考えてメニュー・食材をセレクトできるのは健康面でも有益だ。
なお、個人的にうれしかったのは、普段は中年編集者(筆者)の駄洒落に困り顔の若い編集者たちに差し入れしたところ、「美味しくて、思わず完食しました!」と笑顔で声をかけられたことだ。ほぼなにもしておらず電気圧力鍋のお陰だが……調理家電活用は職場のコミュニケーションツールとしてもアリかも?と思った次第。
今度は夜作業後に『おうちシェフ PRO』ならではのイワシの梅煮や、タンシチューでも作ってビールと共に差し入れでもできたら……。中年編集者にそんな希望と妄想まで見せてくれた幸せのサラメシタイムとなった。
参考情報
https://www.siroca.co.jp/product/ouchichef/
まるで囲炉裏のような新感覚家電 シロカ『おうちいろり』で実家ホムパしてみた
卓上調理家電「おうちいろり」を用いて、焼き網、深皿、ボールプレートなどを駆使し家族で楽しむ食事の時間を筆者が経験し、その魅力をレ…