「マリオパーティ」生誕25周年 定番ゲームが挑んだ“試行錯誤の歴史”とは

マンネリからの脱却。シリーズが大転換を迎えた『マリオパーティ9』

 冒頭で「マリオパーティの本質は初代から変わっていない」と述べたが、ゲームルールを含めて大転換を迎えたタイトルも過去に存在する。その作品が『マリオパーティ9』だ。

マリオパーティ9 公式サイトより

 従来の「マリオパーティ」では、プレイヤーが各ターン毎にサイコロを振り、マップ上を進んでスターの獲得を目指すのが基本だった。一方の『マリオパーティ9』ではターンごとにサイコロを振るプレイヤーが1人へと変更。参加プレイヤー全員がひとつの乗り物に立ち、各ターンごとに「キャプテン」として任命されたプレイヤーにのみ、各種マスの効果が反映される仕組みとなった。

 そのため、マップ上のどこかに配置されたスターを全員が追い求めるのではなく、マップのいたるところに配置されている「リトルスター」を各プレイヤーが回収。マップのゴール地点でボスを討伐したあと、拾い集めたリトルスターの所有数によって勝敗が決まるルールへと変化した。ミニゲームも毎ターン終了時に行われず、特定のマスに止まったときのみ挑戦するので、全体的に見ればゲームテンポが格段に早くなったと言えるだろう。

 定番タイトルは支持されやすい反面、マンネリ化を避けられない運命にある。「マリオパーティ」シリーズも同様の境遇をくぐり抜けてきたわけだが、『マリオパーティ9』はそうした脱マンネリを狙い、シリーズの伝統を守りつつゲームルールを大幅に刷新した意欲作だったのである。

ゲームと紙製マップが連動。シリーズ異色の「マリパボード」

 ゲームボーイアドバンス用ソフト『マリオパーティアドバンス』は家庭用ゲーム機向けのナンバリングタイトルと異なるゲームルールを採用しているため、シリーズにおいても外伝的な作品として扱われることが多い。

マリオパーティアドバンス 公式サイトより

 そんな同作品には「マリパボード」という紙製のボートマップが付属していて、『マリオパーティアドバンス』と組み合わせて遊ぶことができた。GBAの画面をサイコロに見立て、出目の分だけマップを進み、止まったマスに応じてミニゲーム(作中ではパーティグッズと呼ばれる)にチャレンジ。マップを進んで最初にスターを手に入れたプレイヤーが勝利となる、ナンバリングタイトルの「マリオパーティ」に近いルールを採用しているのが特徴だ。

 ゲームありきの付録ゆえ、『マリオパーティアドバンス』がないと遊べないのが難点。だが同作品の公式サイトでは、発売から18年経った現在もマリパボードのPDFファイルが公開されている。興味のある方はサイトにアクセスし、当時の貴重な資料として実物に触れてみてはいかがだろうか。

©Nintendo

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