“中二病の妄想”を叶える夢のバトロワ 『The Finals』が放つ唯一無二の魅力

なんでもぶっ壊してOK 勝つためなら地形すらも利用すべし

 オープンβテスト版で実装されているマップは「ソウル」と「モナコ」の2つ。どちらも現実世界の地形が意識されているほか、前者は「上下の立体構造が際立った高層ビル群」、後者は「低階層の家屋が林立する住宅街」と、それぞれ景観がまったく異なる。ゆえに各プレイヤーはマップの地理を把握しつつ、戦闘面で優位にたてるよう立ち回らなければならない。

 ここで重要なのは、『The Finals』が“オブジェクト破壊システム”を大々的に採用している点だ。そしてこのシステムこそ、『Apex Legends』や『PUBG』など、市場で流行したバトロワゲーム作品と差別化を大きく図った点ではないかと考える。

 本作ではほぼすべての造物に何らかの衝撃を与えることができる。たとえば「通行のために壁を壊す」「天井をぶち抜いて屋外へ脱出する」等々、あらゆる場面においてオブジェクトの破壊行為が認められている。辺りに転がっているガスボンベを撃って爆発させたり、乱戦が起きている部屋の床を壊して全員を落下させる……といったアクションも可能で、類似したシステムを挙げるなら、「バトルフィールド」シリーズや『レインボーシックス シージ』といったゲーム作品が近いかもしれない。ただしこの2作品は大規模戦闘や屋内での5vs5をメインに捉えたFPSであり、『The Finals』とは異なる要素が多い点を留意していただきたい。

 上述の通り、本作のメインモード「クイックキャッシュ」では金庫の奪取と防衛が激しく入り乱れる。ゲームスピードも比較的早く、「マップ内を走り回る」「接敵したプレイヤーを銃撃」「金庫を見つけて目的地まで移送」といったイベントが次々に巻き起こる。そこへさらにアクセントを加えるのが、ド派手なオブジェクト破壊システムというわけだ。

 「屋内に敵が籠もっている? なら壁ごとぶっ飛ばせば良し!」「上の階で他チームが撃ち合っている? じゃあ天井を壊して引きずり下ろせばOK!」という具合に、通常のバトロワゲームだと実現できない奇抜なアイディアも、『The Finals』では勝利の鍵になる可能性を秘めている。それだけにオブジェクト破壊が推奨されるし、関係のなさそうな場面でも意識的に壁やガラスを撃ちたくなる。そうしてプレイを続けていくうちに、「銃器やガジェットだけでなく、勝つためならありとあらゆる造物をすべて活用すべし」という、本作に込められた独自のコンセプトを感じた次第だ。

 対戦型チームFPS『The Finals』は11月5日までオープンβテストを実施中。興味のある方は、期間内に一度プレイしておくことを強く勧める。

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