韓国出身ストリーマーがSPYGEAとの出会いから日本語配信→移住を決断した理由 Killin9Hitが抱く感謝の思い「みなさんに恩返ししたい」

印象に残っている『カトマス』 “兄貴”がつないだ日本での縁

――キャリア面での話になりますが、KHさんはプロ選手を経てストリーマーになりました。当時の経緯を教えてください。

KH:私は20代前半からずっと、1人だけの人生じゃなくて、現役のときは喜びも悲しみもファンの方々と共有して、引退してストリーマーになってからはファンの方々と一緒の時間を過ごしてきました。家族とのプライベートな時間も大事にしつつ、1人でなにかをするよりは、いろいろな方々に愛されながら、すてきな人生を過ごしたいなと思うんです。だから選手を辞めても、配信者になりたいという気持ちが強かったんです。

――周囲との関わり方について、選手時代と違うところはありますか?

KH:選手時代も、私がやっていたタイトルは複数人で協力するものでした。ほかの選手たちや監督さん、マネージャーさんたちと、どうすれば良い関係を築いて、良い成績を出せるか。そういうところでの悩みもたくさんありました。私にとって、配信はその延長線上のものだったんです。配信も個人でやるより、どこかのチームに所属して、チーム活動としてスポンサー様をアピールしたり。そうした考え方なので、現役時代とそんなに変わっていないなと思っていますし、転向したときにも問題は感じませんでした。

――現役時代から周囲への気遣いをしていたからこそ、スムーズに移行できたんですね。

KH:ただ、引退してちょっと楽になったところはありますね。プロ選手はストイックさが求められますし、自分に対して厳しくなって、周囲からも厳しく見られます。配信者としては人生を楽しく過ごしたいと思っていたからこそ、楽になったのかもしれません。楽しく過ごしている姿を見てほしいですからね。

――実際、KHさんはすごく“素”に近い姿で配信されている印象があります。

KH:本当に素の状態で、配信と普段で全然変わらないですよ(笑)。自分のほんとうの姿で配信できないと疲れそうですし、長く配信できないとも思っていましたから。

――KHさんといえば、兵役時代の話や「敬礼ポーズ」も鉄板ネタですが、日本の視聴者の反応はどう感じていますか?

KH:「こいつ、本当に兵役行ってきたのか」と驚くリアクションを見ていたら、おもしろくて(笑)。敬礼ポーズが生まれたときは、ちょうど『PUBG』などの軍服の出るゲームが多くて、そんなときに家の外で軍服を着た方を見たんです。そこから敬礼ポーズを始めました。最初の反応は「ドラマで見たことあるかも!」という感じでしたね。

――そうした部分を含めて、これまでの配信活動で印象に残っているエピソードなどはありますか?

KH:いまは韓国にいたときよりも、大物のストリーマーの方とご一緒することが増えていますね。加藤純一さんもそうですし、そういった方々と一緒にやった『Apex Legends』の『カトマス』というコンテンツはすごくおもしろかったですね。配信の同時接続数はすごかったと思います。

――Eurieceさんと一緒にプレイするようになったのも、『カトマス』ですよね。

KH:そうなんです。そして加藤さん、Eurieceさんと一緒にやれたのも、蛇足さんがCRカップに通訳として誘ってくださったことがきっかけなんです。蛇足さんには本当に感謝しています。それがきっかけですべてのつながりが生まれました。すてきな“兄貴”です。

――ここ最近の配信で印象に残っていることはありますか。

KH:最近はZETA DIVISIONの企画で参加している『リアルタルコフ』ですね。『Escape from Tarkov(以下、タルコフ)』をリアルでやる企画なんですが、Twitchの配信で見ながら話すのも楽しくて、ずっとやっていました。

――兵役経験のあるKHさんから見て、リアル志向の『タルコフ』はいかがですか。

KH:『タルコフ』はすべての行動に「スタミナ」があるんです。回復するためには、どこかで止まらないといけないんですけど、匍匐(ほふく)前進するとなぜかスタミナが回復するんです。あれをリアルでやると、キツすぎて全然回復なんてできない。あれだけはおかしいです(笑)。でも、神ゲーですよ。楽しいです。

――では、いま気になる日本の配信者はいらっしゃいますか?

KH:関優太さんですね。日本に来てから、すごく力になってくれました。もともとDeToNator 4BRとしてやっていたメンバー(関優太、SHAKA、SPYGEA、YamatoN)にはお世話になりましたし、「仲間っていいな」と思いました。彼らの今後の活動も応援したいですし、ずっと気になる人たちです。

――Twitchで配信活動をするなかで、お気に入りの機能を教えてください。

KH:「チャンネルポイント予想」ですね。配信が盛り上がります。『タルコフ』なら、そのマッチで生還できるか、何キルするか……。視聴者の方からも予想の内容を提案できますし、それを私が選んで採用する、その過程がもう1つのコミュニケーションになる。それが楽しみですね。

――逆に、「こんな機能があったらいいな」というものはありますか?

KH:アーカイブを見たときに「ここが一番盛り上がった」というのが分かりやすいといいですね。いち配信者として、せっかく配信したものがアーカイブで残っている以上、もっとスポットライトが当たってほしい。特に長時間の配信の場合、盛り上がったポイント、楽しめるポイントが分かるといいですよね。

――最後に、今後の配信活動での目標を教えてください。

KH:好きなゲームタイトルをこれまでどおり、楽しんでプレイする姿を見せたいです。あとはオフラインでのアウトドアにも興味がありますし、これからが楽しみですね。

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