G-SHOCK、ホビージャパン、大丸松坂屋百貨店……大手企業の『VRChat』参入が相次いだ一週間

ホビージャパンも公式パートナーに 大丸松坂屋百貨店はオリジナルアバターでメタバース事業に乗り込む

 公式パートナーに名乗りを上げたのはカシオ計算機だけではない。今年の4月からVR事業を本格展開しているホビージャパンも、公式パートナーシップ契約締結を発表した。

 同社はオリジナルのワールドを公開し、そこを軸にボードゲーム体験イベントを開催するなど、『VRChat』という場で地道な体験提供を続けている。老舗50年のホビー企業による挑戦は、以前筆者が担当者に話をうかがった限りでは、「担当者の情熱」によって取り組まれているようである。それを奨励する企業風土も相まって、興味深い展開が続いてる印象だ。公式パートナーシップ契約により、それが加速するだろうか。

 そして、老舗の参入がもうひとつ。大丸松坂屋百貨店による、『VRChat』向けアバター事業始動だ。10月17日に、「正装」をテーマにした合計5体のアバターをリリースする予定だ。

 以前よりVRイベント「バーチャルマーケット」へ何度も出展している“常連企業”として知られているが、いよいよ自らメタバース事業へと乗り込む形となった。その商材として選んだのが、『VRChat』の花形の一つであるアバターというのは興味深い。価格は3万円台と、一般的な相場より若干高価だが、ラインナップの豊富さと、参画クリエイターの数が光る。

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 先日、筆者はメディア向けの試着会に参加したが、そこで聞いた担当者の声などから、これもやはり「担当者の情熱」によって動いている取り組みであると感じられた。だからこその参画クリエイターの豪華さであろう。この試着会で袖を通した、大丸松坂屋アバターの所感については、別の記事にてご紹介できればと思う。

“奇祭”、はじまる 「ぽかぽかファンタズム元年」について

 大企業の参入が続いた先週の『VRChat』業界だが、ユーザー側の動きとしてもひとつ、無視できないものがある。VRクリエイター・VR蕎麦屋タナベ氏と、VR漫画家・リーチャ隊長による……“奇祭”としか言いようのないワールド「ぽかぽかファンタズム元年」である。

 以前、『マツコ会議』(日本テレビ)にてマツコ・デラックス氏が体験し、同氏が驚愕したワールド「ファンタズムセブン」の流れを汲む新作だ。ここには、あらゆる人から募集した、あらゆる形式の出展物が展示されている。3Dモデルも、画像も、その他の形式も。「受け取ったものは全部展示する」という心意気によって運営されている、作品展示イベントでもあるのだ。

 その結果生まれたのは、“名状しがたい光景”としか言いようのないものである。訪れるのであれば、ある程度の覚悟をしていこう。できれば体調がいいときに見るのがよいというのが、筆者から送るアドバイスである。

 カオスそのものではあるが、間違いなく、「VRChatユーザーの熱気」が濃縮された特異点である。一度見ておくに越したことはないだろう。

 なお、10月8日から一週間は、この「ぽかぽかファンタズム元年」を舞台に様々なイベントが開催される予定だ。興味があるならそちらものぞいてみるとよいだろう。

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