フィッシャーズが明かす、4億回再生を目指した“夏への思い”と“YouTube界の未来”

“ファンと一緒”に世界一を取る

ーー今年はギネス世界記録(TM)を狙って開催したイベントもありましたが、今回のリリースイベントとはまた違いましたか?

シルク:大枠は同じだと思います。それこそ楽しむっていうことが、ひとつ共通しているキーワードだと思う。

もとき:なんか昔からそうだよね、俺らって。

シルク:みんなと一緒に楽しむって、すごく簡単なように聞こえて意外と難しいと思うんですよね。そのことをコロナによってみんな再認識できたのかなと思うんですけど、「いま、もう1回やってみたらみんなはどうなるんだろう」っていう。

 昔と違うのかなとか、みんなのノリの再確認じゃないですけど、ちょっと出方をうかがっていってみたらみんなが吹っ切れていた……みたいなストーリーも含めて、みんなで楽しめたらいいなと思ってるんで、歌とネタのイベントは違うとかはないですね。やっぱりみんなで楽しめるのが1番いいところだと思う。

ンダホ:文化祭の演目がちょっと変わるぐらいのイメージ。

シルク:劇とファッションショーみたいな。

ンダホ:そうそう、そんな感じです。

ーー先日、超巨大ストラックアウトでギネス世界記録(TM)を樹立されましたが、グループでギネス記録を目指すのには何か理由があるのでしょうか。

シルク:もう「楽しそう」だなって。

ザカオ

ザカオ:楽しそうって、1番大事だよね。

シルク:ロマンがありません? ギネス記録って。

ンダホ::楽しいことをしていたら、世界に認められるっていうのがいいですよね。

ザカオ:「世界に認められる=楽しいこと」だもんね。

マサイ:ギネスって“世界の塊”というか、世界そのものじゃないですか。

シルク:「YouTuberの夢の見せ方」というテーマがよくありますよね。高いものを買ったりとか、大きい家に住んだりとか。ギネス記録もそのなかのひとつだと思います。「みんなと世界を目指すことができるんだよ」っていう夢の見せ方ですね。

 視聴者さんとひとつのものを作るっていうことを、YouTuberとしてやるべきかなと思っていて、そういう意味でギネス記録は分かりやすいっていうのもあります。視聴者さんも「ギネス記録を一緒にとったんだよ」といえるし、認定賞にも「Fischer’s and all fans」って書いてあるですよ。

ザカオ:あれがいいんだよな。

シルク:ほかの動画にもその認定証が映るんです。その時に「all Fans」って書いてあるのが見えると、「みんなでとったんだな」ということをいつも再認識できる。

ンダホ:実際、みんなでやらないととれない記録だからね。

ーーファンの方とのコミュニケーションのとり方がすごくお上手だなと思ったのですが、ファンの方とコミュニケーションをとるにあたって大事にしていることはありますか?

シルク:それこそYouTubeをやっていると、ひとつに目的を絞りがちな人っていうのが僕は結構多いなと思っていて。ひとつのことで1番ということにこだわる方が多いと思うんですけど、みんなと一緒に世界一の記録を取った方が、広がりがあるなって思うんです。

 そういう意味で、バランスよくみんなで1番を取ったり、楽しい空間を作るということを考えていたら、自然とそういうことが楽しいなと思ってくれる視聴者さんがついてきてくれた、という感じに近いと思う。

ンダホ:パーティーの主催者みたいな気持ちもあるな。

ザカオ:主催している人がラフだから、ファンのみんなもコミュニケーションを取りやすいんだろうね。

シルク:自分たちも友だちのような感覚というか。

ダーマ

ダーマ:ファンの方たちも気負わずにイベントにこれるよね。

マサイ:そのイベントの中で友達を作ってる人もいるみたいだし。

シルク:イベントってそういうことも起きるんで、面白いですね。楽しいし、ゆえにイベント以外にも楽しめるものを作りたいっていうので、オリジナルブランドの「Dotene(ドテネ)」とかを作っています。フィッシャーズが家族や友達の会話の話題になれるように。

ンダホ:ものがあるとまたちょっと見え方も変わってくるし、捉え方とか楽しみ方も変わるし。

シルク:信用がないとできないものだからね。

ンダホ:全国展開となると、僕らの分身が各地に行ってくれるから、動画以外でも僕らを思い出してもらえる。

モトキ:ちょっと身近に感じてもらえて、嬉しいよね。

ーー去年も大好評だったオンライン鬼ごっこですが、今年は動画のクオリティの高さがすごい話題になっていますよね。選択するものによってルートが変わって、興味深い企画だなと思ったのですが、この動画を作るにあたって意識したことはありますか?

シルク:すっごく細かく「カメラはこうしてほしい」とかお願いしましたね。場所をかなり広く使うので、時系列がちゃんと繋がっているか、ルートや配置の確認が大変でした。

 あと視聴者目線に立ちたいっていうのもあったので、振ってる腕を映したりとか。カメラは頭につけていたので、普通に撮ったら手は映らないんですよ。

マサイ:手を前に出したり、上の方まで振り上げたりしました。

シルク:あと、没入感をちゃんと出せるようにしたり、ホラーと鬼ごっこを組み合わせた怖い鬼ごっこのゲームがあったので、そういうのを落とし込めたらいいよねという話はありました。

ーー企画の準備はどの程度かかりましたか?

シルク:ホラーと鬼ごっこを組み合わせたものにしたいという話をしたのは、数か月前とかだったと思いますが、「次にオンライン鬼ごっこをやるならこれ!」というのは、最初から決めていましたね。

ーー昨年の視聴者の方の反応を企画に落とし込むというようなことはありましたか?

ンダホ:ルートが昨年よりも増えたのは、それが理由ですね。

シルク:それこそ、めちゃめちゃ怖すぎると小さい子が見られないというのは悩みどころでした。なので、ギャグを入れたり、ルート別で面白いものを入れたりしましたね。

企画会議をしない故のスピード感 「挨拶するまで企画を知らない」

ーーすごく没入感があって、ひとりで見ていて寒くなるくらい、クオリティが高かったですね。今年は8月単月で4億再生を目標に掲げていらっしゃいますが、この夏にかけた思いを教えてください。

シルク:なんだろう。成長じゃないですか。

ンダホ:毎年8月は“本気”でいくので。

シルク:ショート動画の流行も含めかなり状況は変わってきているんですが、3億再生をとること自体、めちゃくちゃ難しいことだと思うんです。ロングの動画を出し続けて3億再生をとるっていうのはものすごく大変なんですけど、それをもう3回もクリアしているので、そろそろ一発上げたいよなと。でも、今年の夏が1番辛くなるだろうなって、正直僕は思っています。

 YouTubeも変わるだろうし、新しい人が出てくるだろうとか、いろんなことを考えていましたけど、だからこそちょっとバカげた数字を1回口に出してみて、そこを目指したいなって。頭じゃなく、本当に体力だけでいったろと思ったのがきっかけですね。実は3億はちょっと余力を残して達成できたところがあったんですよ。僕個人の話ですけど、去年はもうちょっとやれたなって、夏が終わった後にずっと反省していました。

ンダホ:僕はやりきったんですけどね(笑)。

シルク:メンバーそれぞれあると思いますけど、「もっとやらなきゃ」と思ったので、今年はそのぐらいやってやろうと。

マサイ:僕はそれこそ去年なにもできなかったので、今年は全力で色いろやろうかなという思いでやっていますよ。編集もそうだし。

ンダホ:やってみたら、今年が1番頑張ってる。

モトキ:気合入っているよね。

シルク:ただ4億再生じゃなくて、ホラーイベントをやったり、お酒を出したり、アスレチックやアルバムを作ったりとか、YouTubeの動画投稿だけじゃないものもやったうえで4億再生を取りたいと思っています。「こいつらYouTubeで4億も出してるくせに、めちゃくちゃいろんなことやってるな」みたいな、Doteneも含めてそうなりたいなって。

ザカオ:8月中のイベントも久しぶりだもんね。

シルク:いろんなところで「これすごいよね」といわれて、「誰がやっているのかな」と思ったらフィッシャーズだったという。そういうのを作っていけたらなと。その分、スケジュールもバカげています(笑)。

ーースケジュールといえば、多くのYouTuberさんが企画会議を定期的にやっていらっしゃるようですが、フィッシャーズさんは会議はやらないんですよね?

マサイ:1回やったことありますけど、合わなかったですね。

ンダホ:学級会みたいでいやなんですよー。意見を出さなきゃいけないみたいな。

シルク:でも、やりたいなと思うときはやっぱりあります。今はもう会議をしないようにするために、「もう少しこっちの方がいいよ」とか「こうした方がいいよ」みたいなのは、個別で話すようにしています。

 メンバーそれぞれ個性があるので、得意そうな人に「これどうなの?」とか聞いていますね。

モトキ

モトキ:でも、特定のメンバーがいないときに企画の話をすることはあります。そこからドッキリとかリフォーム企画が生まれたりとか。

ーーなるほど。だからこそ、スピード感があるのですね。

ンダホ:動画を撮り始めて、挨拶するまで企画を知らないことがほとんどです。大型の企画とか、準備が必要なものがあるとき以外は知らされない。

ザカオ:9割そうですね。

ダーマ:八景島シーパラダイスのイルカショーとセイウチショーは、集合時間と解散場所の2つしか書いてなくて。「何やるの?」みたいな。

ンダホ:スケジュールにカタカナの「シ」だけ入っていて。

モトキ:「何の“シ”なんだろう」みたいな。

ンダホ:バスには乗ったけど、どこに行くか知らなくて。八景島でなにかやるのかなみたいな。

ザカオ:「時間的にこれは鬼ごっこじゃないな」みたいな。

ンダホ:毎日ドッキリです。

ーー動画のオープニングで皆さんちょっとびっくりしていますよね。

マサイ:あれはマジなリアクションです。

ンダホ:会議がないからこそあのリアクションが生まれるという、よさに繋がっているのかなと思います。



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