日本の道にジャストサイズなコンパクトEV、ボルボ『EX30』ついに上陸
2030年に完全電動化を目指す北欧の自動車メーカー・ボルボ。今回、日本仕様が公開された『EX30』はメーカー初のコンパクトEVとなる。同車は今年6月にミラノで発表され、これにより同メーカーのEVラインナップが4モデルへとより充実したものとなった。
コンパクトな電動SUV
今回、日本仕様がお披露目された『EX30』は最初からEV専用モデルとして設計され、デザインはボルボEV車共通のクローズドシールドデザインで、アイデンティティでもあるトールハンマーヘッドライトを採用。このフロントグリルを埋めたようなクローズドシールドデザインはSF映画のヘルメットからそのインスピレーションを得たという。また『EX30』はボルボの中でも最小のカーボンフットプリントを実現しており、小型化によってスチール、アルミニウムなど必要な原材料を削減。既存のC40やXC-40に比べてカーボンフットプリントを25%も削減しているという。
キーワードはシンプルさとリサイクル率
インテリアも同様で再生プラスチックや再生可能な素材を使用しシンプルに。そのシンプルさはメーターナセルのみならず各種スイッチ類も極力使用しておらず、インパネセンターに備わる縦型のディスプレイがカバーしている。
室内では新しい試みとして、ホームオーディオからインスピレーションを受けたサウンドバーが設けられ、複数のスピーカーをひとつのコンポーネントと接続、ハーマンカードン社製のハイエンドなサウンドシステムを実現している。
実用的なコンパクトEV
クルマとしてのメカニズム面、特にEVとして気になる航続距離や充電時間は十分以上の性能だ。日本仕様のシングルモーターは最高出力272ps、343Nmのスペックを誇り、航続距離は約480km。この距離は東京ー京都間とほぼ同じ数値だ。そして69kW容量のバッテリー充電時間は残量10%から80%までは約26分。充電も最大153kWhの急速充電に対応しており、EV車の弱点でもある充電時間についてもケアされている。
また『EX30』の最大の特徴でもあるコンパクトさは全長4235mm、全幅1835mm、全高1550mmと日本の道でも丁度良いサイズ。都市部で多い立体駐車場対応の高さに収まっている点も見逃せない。
『EX30』はコンパクトモデルだがユーザーが期待する先進の安全性能は標準装備。例えばドア・オープニング・アラートはすべてのドアに採用されており、縦列駐車時などに車両後方から来る自転車や電動キックボードなど迫って来る他者の前でドアを開けようとするとビジュアルと音で警告してくれる。
戦略車として「持たず」に「使う」サービスも
実は日本で販売しているボルボ車の10台に1台は電気自動車。そしてボルボはテスラに次いで日本で3番目に売れているEV『XC40』を抱えているメーカーでもある。『EX30』はプレミアム市場における電動化のリーダーとなる目標も掲げており、その戦略的モデルの役割を担う。
車両価格は559万円だが補助金も使えるので実質的には400万円台という。11月中旬には受注販売を開始予定で年内に2000台の受注目標。
また所有せず使いたいユーザー向けにはサブスクリプションサービスがあり、こちらは10月スタートだ。サブスクリプションサービスは頭金なし、任意保険込みで月9万5000円の設定。
今回の『EX30』について、日本の代表取締役として新たに就任した不動奈緒美氏は「『EX30』は欧州で発表、間を置くことなく日本で発表できました。これは日本市場に対するボルボ本社の高い期待の表れでもあります。今回の『EX30』はコンパクトモデルでありながらもユーザーの皆さまがボルボに期待している優れたものをすべて凝縮したクルマになっています。このクルマの発売で、よりEVの販売を加速させるものと確信しています」とコメントした。
◎参考情報
ボルボ
https://www.volvocars.com/jp/
『EX30』
https://www.volvocars.com/jp/cars/ex30-electric/
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