飲み系YouTuberが“飲酒NG”で活動休止 酒村ゆっけの事例からマルチクリエイターのメリットを考える

YouTubeだけに限らない、マルチクリエイターの活路

 独特なワードチョイスと癒し系ボイスで、お酒を飲まない動画でも視聴者を満足させられる酒村。視聴者からは「お酒抜きで美味しい物食べてるゆっけさんでも面白いと思う」「酒なしの動画も観たいと」いうコメントも寄せられており、飲み動画以外での需要もあることが読み取れる。それでもコンセプトを優先し、動画の制作を一時休止するということは、なかなかの決断ではないだろうか。

 酒村の場合、動画の制作や投稿が止まったとしても、執筆活動があるためその後の生活への影響は甚大なものではないと考えられる。しかし、もしYouTube以外の活動がないクリエイターが今回のような状況に陥った場合はどうなるのか……。飲みや大食いなど飲食ジャンルに特化したYouTubeチャンネルの運営には、健康上の理由による動画投稿休止といった問題がつきまとう。今回の発表には、“YouTubeだけ”という活動の仕方には危険な一面があるということが隠されているとも捉えられるのだ。

 酒村のようにYouTubeの枠を越えた幅広い活動をしていくことは、クリエイター自身が万が一のトラブルにも備えられるほか、視聴者もさまざまな方法で応援できるといったメリットがあると考えられる。酒村の場合は執筆だったが、ほかのYouTuberにはアパレルやコスメブランドのプロデュースを手掛ける者も多い。こういったビジネスは、本人の「やってみたい」という好奇心や憧れといった気持ちのほかに、実は自分が動けなくなった場合への保険的な意味合いもあるのかもしれない。

 今回取り上げた動画で酒村は、「1か月とかいなくなるわけじゃない」と発言しており、動画投稿が止まる期間は長くないと考えられる。酒村の動画投稿休止は、YouTubeを主戦場とするクリエイターたちが、マルチクリエイターとして活動するメリットを考えるきっかけになりそうだ。

酒村ゆっけ、ドクターストップにより一時活動休止を発表 「お酒を飲めないと動画が成り立たない」

2023年8月20日、YouTuberの酒村ゆっけが自身のチャンネルを更新。一時的に活動休止することを発表した。 皆様に大切な…

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