VTuberがTikTokでも活躍する時代に 「100日後にVTuberになる」投稿で話題となった「はっか」とは?

VTuberがTikTokでも活躍する時代に

 昨今、巷で耳にするVTuber。気になるものの、一体どこで見たら良いのだろうか、専用のアプリが必要なのだろうかと二の足を踏んでいる人もいるのではないだろうか。実は身近な動画プラットフォーム、TikTokでもVTuberが活躍している。本記事では、VTuberに馴染みがない人でも楽しめるTikTokのクリエイターを紹介したい。

@_hakka_asmr とりあえず?🥰 #ビートdeトーヒ #はっか #vtuber #hakka ♬ Beat De Tohi - Hamaiku

 本記事で紹介するのは「はっか️️️️️️/Hakka⛅️」だ。TikTokのフォロワー数が48万人おり、人気を博している。花のネモフィラと雲をイメージしたという優しい色合いで、髪の色が水色の女の子のキャラクターだ。万人受けする清潔感のある画風のため、VTuber初心者にも親しみやすいだろう。歌ったり、ラップをしたり、早口言葉を言ったりと、オリジナリティ溢れるさまざまなコンテンツで視聴者をたのしませてくれる。

 はっかは親しみやすさが魅力だ。TikTokでお馴染みのトレンドもいち早く取り入れている。例を挙げると、「TikTok上半期トレンド大賞2023 チャレンジ部門」にノミネートされた「#ビートDEトーヒ」を歌った投稿もしている。知らない人のために説明すると「#ビートDEトーヒ」はお笑いコンビ・かまいたちの濱家隆一と乃木坂46の元メンバー生田絵梨花の2人からなるユニット「ハマいく」のデビュー曲だ。このようにVTuberやアニメと関連しない、一般的なトレンドをおさえている。

 はっかが発信し、話題になったトレンドもある。2021年末に投稿した早口言葉の動画は、180万回以上再生され、人気を博した。その後、これを真似するTikTokerが相次ぎ、ハッシュタグ「#君と私わたがしたわし」がついた関連動画は合計で3億回以上再生されている。関連動画には、はっかと同様のVTuberもいるが、一般的な配信者が大多数だ。

 はっかの魅力はどこにあるのだろうか。筆者はいま現在の完成形よりも初期の投稿に魅力が詰まっていると感じる。はっかは最初からVTuberだったわけではなく、「#100日後にVTuberになるASMR配信者」というハッシュタグとともにVTuberになるまでのプロセスを毎日動画にして公開するアカウントだった。

 2021年7月の初投稿では、ベースとなる一枚の絵しか存在しなかった。初期の投稿はこの絵と「いらすとや」のイラストを組み合わせた動画が中心になっている。この後、オリジナルキャラクターやロゴを作成したり、機材を買い揃えたり、ソフトの設定をしたりと、手順を一つずつ踏んでいく様子が毎日投稿されている。時にはイラストを描いてもらう絵師が見つからないなど、うまく行かないことも、そのまま発信した。VTuberを目指す理由を「一人の時間が増えて、何か新しいことに挑戦したい」と説明している。この投稿の見せ方は、これまでVTuberに触れてきたことがない人でも成り立ちがわかりやすく、等身大で好感が持てるキャラクターになっているのではないだろうか。日を追うごとに応援する人が増えたのも納得ができる。フォロワーが徐々に増えていく様子を数値として報告しているのも、プロセスを可視化しており、上述したような好感に繋がる。

 はっかはTikTokにてコンテンツを投稿しているだけではない。「TikTokライブ」を使用したライブ配信も行っている。しかしVTuberとしての素材が揃い、ソフトを設定できれば、TikTokでライブで配信ができるわけではないのだ。TikTokライブは限られた人しかできない仕様となっており、公式から提示されている条件は公開されていないが、フォロワー数や質の高いコンテンツを配信した実績などが問われるといわれている。はっかもチャンネルを創設してすぐからライブ配信ができたわけではなく、最初は「HAKUNA」というプラットフォームで配信していた。TikTokライブにて配信できる条件を満たすというVTuberとしての環境の準備も、VTuberを目指す100日間に行っていたことになる。

 ハードルがあるとすると、VTuberがTikTokをライブ配信のプラットフォームとして選ぶ理由はどこにあるだろうか。TikTokのライブ配信機能は、ラグがあまりない配信ができ、コメントやギフティングが可能で、ライブ配信プラットフォームとしての最低限の機能は満たしている。しかしVTuber向けの特別な機能は兼ね備えていない。そんなTikTokをあえて選ぶのは、ユーザーの質と規模の大きさにあるだろう。はっかはVTuberという特殊なジャンルでありつつも、その中においてはニッチな設定をしていない。一般層にも見てもらいたいとなると、特化したプラットフォームよりも、TikTokの方が目に触れるチャンスがある。「#君と私わたがしたわし」がVTuberではない配信者にまで届いている様子を見ると、一般層にまで広がっていることが明らかだ。VTuberのファンではない層を狙いたいならば、最適なプラットフォームと言える。

 はっかは、プラットフォームもコンテンツも、万人に受け入れられやすい内容になっている。VTuberが何か、知っておきたい人には要チェックのクリエイターだ。

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