「ファミコン」の通称で親しまれるゲーム機「ファミリーコンピューター」は1983年7月15日に任天堂株式会社から発売された。それを記念し、7月15日は「ファミコンの日」とされており、ファミコン発売40周年となる今年は例年にも増して盛り上がりを見せた。

　世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay（イーベイ）」においても、レトロゲームの人気が高まっており、世界中のゲームファンやコレクターの間で「スーパーマリオブラザース」や「ゼルダの伝説」など、人気作品からレアソフトまで多くのファミコン関連商品が取引されていた。

　また、ファミコンをはじめとしたビデオゲーム関連商品をeBayに出品している日本のセラー（販売者）も年々増えており、それに比例して取引総額も増加。押し入れに長年眠っているゲームソフト一つからでも販売できるビデオゲームカテゴリーはeBayの中でも比較的参入しやすいことが理由のひとつで、セラーの8割が副業もしくは個業主となっているそうだ。

■ 海外ではファミコンを中心としたレトロゲームの人気が年々増加

　eBayビデオゲームカテゴリーの売上は年々伸長しており、2022年6月～2023年6月の1年間も記録的な売上を達成した。近年はストリーミングプラットフォームやソーシャルメディアでの発信の影響で、レトロゲームが当時を懐かしむ人々の興味を再燃させ、市場が急成長している。eBayでは本体からソフト、関連商品まで様々なアイテムが取引されている。

■映画が大ヒットしたマリオや、新作が発売された「ゼルダの伝説」の関連商品が人気

　「スーパーマリオブラザーズ」シリーズはeBayで販売されるゲームの中でも最も人気の高いタイトルだが、今年4月に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の公開に伴い、さらに人気が加速。特にスーパーマリオブラザーズ35周年を記念して2020年に発売されたNintendo Switchの『スーパーマリオ 3Dコレクション』は現在は販売が終了しており、注目の商品だ。

　また「ゼルダの伝説」も最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が5月にNintendo Switchで発売され、その影響で前作の「ブレス オブ ザ ワイルド」やファミコンの初代作、ニンテンドーDS作品にも注目が集まっている。

■日本の中古ゲームの海外需要がさらにアップ

　eBayにおいて日本から出品されるビデオゲーム関連商品の売上は2022年6月～2023年6月の1年間で約4,000万米ドル（約58億円）となっており、直近となる2023年の第一四半期（1～3月）では、昨対比27％増。特にゲーム機本体などビデオゲームコンソールカテゴリーでは40％増と大きく伸びた。

　日本から販売される商品の大半を中古商材が占めているが、日本の中古品は状態の良さから世界中で人気を集めている。またレトロゲーム本体や廃盤ソフトなどの入手しづらい商材、日本限定のタイトルなども海外のゲームファンやコレクターを惹きつけている。

（※2022/6～2023/6 Terapeakデータより）

　今年1～3月の間にもっとも取引されたビデオゲーム機（本体）は「ニンテンドーDS」であり、中でも「ニンテンドー3DS」が圧倒的な人気を誇っている。2位はPlayStation Vitaがランクイン、3位は1989年に発売された携帯ゲーム機の金字塔、ゲームボーイが入りTOP3をポータブルゲーム機が独占した。