“ブラジルの忘れ物”を拾い集めてーー『VCT Masters Tokyo』EMEA代表・Fnaticが2連覇で有終の美を飾る
Fnaticが見せた“王者の風格” 7-12から驚異的な追い上げ
しかし、この構成にもしっかりと対応するFNCからは“王者の風格”を感じられた。果敢な裏攻めやチェンバーを使用するDemon1選手のスーパープレイに苦しめられ、4-8と大幅にリードされた状態で迎えた後半戦。12本目まで追い込まれるものの、それでも攻め手を緩めずにしっかりと攻め切ったFNCがオーバータイムへ持ち込む。
12-12で迎えた25ラウンド目はFNCが味方の立ち位置をうまく隠すプレーや情報取りの巧さを見せて勝利。1本リードし王手をかける。オーバータイムへと持ち込んだ際もそうだったが、試合中は冷静な表情でプレイしていたBoaster選手が観客に向けて「取ったぞ!」とでアピールする姿が印象的だった。
最終ラウンドとなった26ラウンド目はFNC・Alfajer選手がワンピックを取り、さらにChronicle選手のスモーク越しキルでFNCが人数有利に持ち込む。そのままスパイクの設置や完璧な射線を組み上げたFNCが試合を決めた。
振り返ってみれば3マップを連続で勝利し、圧倒的な強さを見せたFnatic。幕張メッセに集まった多くのファンが大歓声を上げ、彼らの勝利とEGの大健闘をそれぞれ祝った。ブラジルで開催された前回の世界大会『VCT 2023 LOCK//IN』に続いて2連覇となった。
前回は、地元ブラジル代表・LOUDの敗北に落胆した観客が早々に帰宅し始めてしまうという出来事があった。無観客試合かのようなガラガラの客席が背景に映り込むのは、見ていて悲しいものだった。
しかし、日本のファンが優勝チームに、そして敗北したチームにも惜しみない賛辞を送ったことは、素直に喜ばしい。きっと彼らの心に、そしてライアットゲームズにも届いたことだろう。おめでとう、Fnatic。
■『VCT 2023 Masters Tokyo」Grand Finals Fnatic対Evil Geniuses試合結果
マップ1:13-8(ロータス)
マップ2:13-11(スプリット)
マップ3:14-12(バインド)
■配信アーカイブ
https://www.youtube.com/watch?v=M5ZXpHnxGmI
『VCT Masters Tokyo』ロゴ:2023 Riot Games, Inc. Used With Permission