羽谷勝太が語る「あめんぼぷらす」と俳優活動の相互関係 YouTubeでコメディ系コントが流行する理由は?

 「野球部あるある」や「野球部員のルーティン」など、野球部を舞台にしたコメディドラマをメインに投稿し、注目度急上昇中の男性ふたり組YouTuber「あめんぼぷらす」。おまつは作家・松井尚斗として、しょーたは俳優・羽谷勝太として個別の活動も行うなど、活躍の幅を広げている。

 羽谷勝太に単独インタビューを行い、あめんぼぷらすとしてのこれまでの歩みや動画撮影について、さらにはソロ活動にかける思いまで、飾らぬ言葉で語ってもらった。

――「あめんぼぷらす」の相方・おまつさんとは幼なじみだそうですが、YouTuberとして一緒に活動することになった経緯を教えてください。

羽谷勝太(以下羽谷):僕は、小学生のころからプロを目指すつもりで野球をやっていて、おまつはテニスをしていたんですけど。お互いに、ふたりでエンタメをやったら楽しいだろうなという思いもあって。大学3年生のとき、『お笑いG-1グランプリ』という学生芸人の大会に「アーネスト」というコンビ名で出場してみたら、めっちゃ楽しかったんです。その後、大学4年生になって真剣に将来を考えたとき、僕のなかにプロ野球選手という夢ともう1つ、俳優をやってみたいという気持ちがあったんですね。どっちの道に進むか悩んでいるときに、おまつに「一緒にYouTubeをやらないか」と誘われたんです。ものすごくやってみたいと思いながらも迷っていたら、「とりあえず、ふたりでYouTubeをやって。それを土台にして、お互いに個人の活動をすればいいんじゃないか」というおまつの言葉に背中を押されて、YouTubeを始めました。

――2018年11月にYouTubeで活動をスタートさせますが、最初からコメディ系動画でいこうと決めていたのですか?

羽谷:最初は、自分たちがおもしろいと思ったものをやれば絶対にバズるだろうって、根拠のない自信があったんです。でも、1本目にアップしたバラエティー動画が全然跳ねなくて、一発で鼻をへし折られ(苦笑)、そこから試行錯誤を重ねました。当時、モーニングルーティン動画が流行っていたので、「イケメンのモーニングルーティンを撮ろう」というおまつの提案で、僕のモーニングルーティン動画を上げたんですけど……いわゆるスベるという結果になりまして(笑)。でも、おまつはくじけずに今度は「野球のモーニングルーティンを撮ろうよ」って提案してきたので撮ったんですよ。そしたら、それまで平均再生回数が700回ぐらいやったのが、20万回再生ぐらいまでボンと跳ねたんです。“これだ!”ということでモーニングルーティンを軸にして、スポーツバラエティーの動画などもやりながら、徐々に“あるある”に近づいていった感じです。

――再生数が20万回に跳ね上がったのは、最初に動画をアップしてからどのくらい経っていたんですか?

羽谷:2019年2月なので、3カ月ぐらい?

――かなり早い段階ですね。

羽谷:でも当時、大学4年生ということもあって、けっこうあせっていたんです。周りがみんな就職するなか、僕たちは「えっ、新卒でYouTuber!?」みたいな目で見られていたので。なんとしてでも大学卒業までに結果を残さなきゃ! と思って必死でした。だから、バズったときはホッとしました。

――でも、そこからまた苦戦したところもあったのですか?

羽谷:そうなんです。ルーティン動画を連発したい気持ちと同時に、スポーツバラエティをやりたいという思いもあって。僕の野球の実力を活かしたホームラン競争とか、プロ野球選手のモノマネでホームランを打てるまで帰れないという“モノマネホームラン”みたいな方向にシフトチェンジしてみたけど、再生数があまり伸びなかったんです。やっぱりルーティン動画を続けようということになったんですけど、撮影許可のおりるロケーションがほとんどないという問題がありまして。野球のルーティン動画を撮るときは、僕の母校の野球部監督に頼んで場所を借りていました。

――それは現在もですか?

羽谷:いえ、撮影のたびに大阪から兵庫に行くのは、どう考えてもコスパが悪すぎるだろうということで、おまつと相談して一軒家を借りて撮影用スタジオにしたんです。そこを自分たちで寮っぽい感じに作って、いまはそこで撮っています。

――成功の要因はなんだと思いますか?

羽谷:投稿するのをルーティン動画だけにしたことですかね。コロナ禍になったのを機に、グリーンバックを使った撮影に切り替えて“あるある動画”をアップしていたんですけど、やっぱりルーティンとくらべると再生数が伸びないんです。なので、思いきってルーティン動画1本に絞ったんですけど、それがいい結果につながりました。

――以前はしょーたさんが動画編集を担当していたそうですが、より多くの視聴者に見てもらうために気をつけていたことはありますか?

羽谷:やっぱり“間”ですね。例えばトーク部分が15分ぐらいあると、途中でトークテーマがわからなくなってくるので、画面の左上に(テーマを)文字にして出したりとか。エピソードトークだったら、イラストで当時のことを再現したりとか。このイラストを動かすという作業が、すっごく大変なんですよ! ハッキリ言って、イヤでした(笑)。でも、手を抜くとすぐに数字(再生数)に表れるので、がんばってましたけど。

――一方で、おまつさんは企画・構成を担当されていますが、昔からそういう才能があると感じていましたか?

羽谷:同じ中学校に通っていたんですけど、みんなを楽しませるのが得意だなとは思っていました。修学旅行のとき、宿舎でみんなで楽しめるようなゲームを考案したりとか。ただ、当時から脚本を書いていたかどうかはちょっとわからないんですよね。テニス少年だったので僕と一緒にランニングなどのトレーニングをしてました(笑)スポーツに青春を捧げていたんじゃないかな……。

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