Amazon Musicのポッドキャスト制作スタジオ 「Wondery」が日本で始動 コンテンツ責任者が語る“ポッドキャスト市場への影響”

今後はシチュエーション別のコンテンツ開発も視野に

ーー日本には日本人にウケる独特のラジオ文化があると思います。そういった文化がある中でAmazon Music/Wonderyとしては、これまでの日本のラジオ文化とどういった関係性を築いていきたいでしょうか?

柴田:やはり日本のラジオにはすごく長い伝統があって、リスナーとラジオならではの関係性が歴史的にも形作られてきたと思います。当然、それはそれでずっと続いていくと思いますが、大前提として、同じ音声メディアであってもラジオとポッドキャストは全くの別モノです。つまり、ラジオは基本的にその時間をリスナーとパーソナリティーが共有するリニアな放送ですが、ポッドキャストはさっきも話に出たようにながら聴きだったり、自分の好きなときに好きなシチュエーションで聴けたりするメディアです。だから、このふたつはリスナーとパーソナリティーの関係性も違えば、リスナーが受け取る感情なども違うと思います。

 その意味ではもしかしたら、『ビジネスウォーズ』のようなコンテンツはあまりラジオのリニアな放送には向かないのかもしれません。ただその一方で、自分1人で集中して、それこそ没入感を味わいながら聞けるメディアだと思います。そういったリスナーが自分で聞き方、付き合い方を選べる点がラジオとポッドキャストの違いであり、ポッドキャストの大きな魅力になっていると思います。

ーーなるほど。ポッドキャストは音声メディアとして、リスナーの判断に委ねられるというか、音声メディアの楽しみ方をある意味で民主化しているということでしょうか?

柴田:そう言えるかもしれないですね。やっぱりリスナーが好きな時間に聞けるだけでなく、たとえば、寝る前や通勤時などコンテンツもさまざまなシチュエーションで聴くことを考慮して、開発するという仕方があると考えています。そういう意味では、非常に多様な楽しみ方やニーズに応えるコンテンツを開発していくことが重要になってくると思っています。

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