ニンテンドー3DSのe-Shopが3月28日で終了 立体視とコミュニケーションに見るその先見性

立体視とコミュニケーションの時代に改めて思う

 2010年代後半から急速に発展したVRデバイスは、「空間の中で動き回ること」「アバターを纏って他者とコミュニケーションをとること」など、これまでにない体験を個人のユーザにもたらした。現在もこうした技術に親しんだ愛好家たちが、思い思いのアバターで『VR Chat』に集い、会話を楽しんでいる。

 VR空間の面白さを言葉で説明するのは難しい。実際にゴーグルを付けてワールドに入ると、その実在感に驚いてしまう。作り込まれたワールドを眺めて歩くだけでも楽しく、アバターを介して人の息遣いや、実存を目の当たりにすると、この世界に夢中になる人々がいることも、この技術がますます発展することも確信できる。この迫力はスクリーンショットを眺めるだけではまったく伝わらない。

 こうした「迫力」のベースになっている技術の一つが「立体視」だと思う。立体視には映像が3Dで目の前に迫ってくるリアルな楽しさがある。少し乱暴だが、現在のVRデバイスの隆盛は3DSが10年以上前に提案した「手軽に3D映像を楽しむ」「マルチメディアなツールでコミュニケーションを楽しむ」という遊びが着実に進化した結果ともいえるかもしれない。

 そう考えると、3DSという、10年前に発売されたハードの先進性とバランス感覚に未だに驚いてしまうのだ。あの価格で、あのサイズで、立体視という体験を世界中に普及させたことは凄まじい功績だ。

 3DSのダウンロードソフト販売は3月28日の午前9時に終了する。もし手元にある方は、久しぶりに起動してみてはいかがだろうか。詳細な解説は省くが、一部のユーザは残高を追加することもできるはずだ。裸眼で3Dゲームを楽しめる唯一無二のハードウェアの面白さを、今一度体験してみてほしい。

 個人的なおすすめは往年の名作シューティングの3D版だ。古いゲームが3D化されることで独特の質感を得ており、触っているだけでも楽しい。以下に挙げた『3Dクラシックス ゼビウス』『3D アフターバーナーⅡ』はそんな作品だ。

■関連リンク
ニンテンドー3DSシリーズおよびWii Uの「ニンテンドーeショップ」サービス終了時期に関するお知らせ
アーケードアーカイブス『ゼビウス』
『3D アフターバーナーⅡ』

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