働きやすい環境を最優先に ガジェット系YouTuber・たこまるの「こだわりが詰まった仕事部屋」

 昨今、注目が集まるお部屋のデスク環境。その構築に欠かせないのがマウスやキーボード、モニターといったゲーミングガジェットたちだ。どの製品を選べばいいのか、情報を求めてネットサーフィンをしている方も多いはず。「おしゃれなデスク環境をつくりたい」という気持ちは、もはやゲーマーだけのものではない。

 今回はその道のプロといえるガジェット系YouTuber・たこまるの、引っ越したばかりの自宅に突撃。現在進行形で進むお部屋づくりを前に、さまざまな角度からお話を伺った。(結木千尋)

こだわったのは「部屋の形」。新居はライフスタイルにぴったりの住処に

――まずお住まいのことについて聞かせてください。いまのおうちに引っ越してきたのはいつごろですか?

たこまる:10月の終わりだったので2か月半くらい前ですね。それまでは名古屋で一人暮らしをしていたんですが、仕事で上京することが増えてきて。もともと住んでいた家は「これぞ一人暮らし」という感じの1Kだったので、かなり手狭にもなってきていたんです。僕の場合、仕事で取り扱う商材がモニターだったり、ゲーミングチェアだったりと大きいうえ、撮影用の機材もたくさんあって。場所と広さが引っ越しを決めた理由になりました。

――名古屋の1Kから、広さに不満のない東京のおうちへの引っ越しとなると、家賃の差に驚かれたんじゃないですか?

たこまる:そうなんです! 「名古屋だったらおなじ金額で、もっと広い家に住めるよなぁ」と考えながら物件を探していましたね。場所も引っ越す理由のひとつだったので、仕方ないといえば仕方ないんですが。

――おうちを選ぶとき、広さ以外に譲れないポイントはありましたか?

たこまる:「部屋の形」ですね。部屋が縦長だとPCを自作するときに不便で。部屋の中心で組み立てるとしても、まわりにスペースが少ないので、わざわざ立ち上がって遠くまでパーツを取りに行かないといけないんです。それが煩わしくて。「できるだけ正方形に近い」というのも部屋探しの条件でした。

――なるほど。長方形のお部屋だと、撮影環境をととのえるにもデスク前のスペースが限られていて困ることが多そうです。

たこまる:そうなんですよ。作業台、照明、カメラをデスク前に設置する必要があるので、正方形のお部屋のほうが便利なことが多いんです。その点でこの家はベストチョイスでしたね。

撮影用の白デスク

――デスクが2つあるのは撮影用と作業用で使いわけているからですか?

たこまる:はい、こっちの白デスクが撮影用、あっちの黒デスクが編集用です。実はここもお気に入りで。個人的なこだわりなんですが、撮影部屋と編集部屋を別々かつ遠すぎない距離に配置したかったんです。一般的な感覚だと、編集に使っている部屋は広さも中途半端なので使い方に困ると思うんですが、僕のライフスタイルだと編集部屋にするのにちょうどよかった。おかげで希望どおりの環境をつくることができました。

たこまるの作業スペース

――逆に苦労したポイントは?

たこまる:機能性とおしゃれさの両立ですね。引っ越すときって誰もが「今度はおしゃれな家にするぞ!」と頑張るじゃないですか? 僕もおなじで、せっかく納得できる撮影部屋・編集部屋を確保できたからには、おしゃれなスタジオみたいにしようと考えたんです。でも撮影のことを考えると、明るさを抑えた間接照明よりもシーリングライトが有利ですし、業務用の照明機材はリビングに設置されることを想定したデザインになっていないんですよね。だからインテリア面では、まだ納得のいく部屋にはなっていないです。これから両立できるバランスを模索していきたいですね。その過程も動画にできたらおもしろいかなと考えています。

好きなブランドはつくらない。ガジェット系YouTuberとしての矜持

――どのようなことがきっかけでガジェットにハマったのですか?

たこまる:きっかけは、ゲーム実況者さんのデスクまわりを観て「かっこいいなぁ」と思ったことでした。僕、中学生・高校生のころはスポーツに打ち込んでいて、それがすべてだったので趣味みたいなものがほとんどなかったんです。

それから大学に進学してバイトもはじめ、少しずつ自由になる時間・お金ができたときに、その動画を観たんです。「子どもの頃にできなかったことに、大人になってから没頭する」みたいな話ってよくあるじゃないですか。まさにそんな感じだったと思います。

――いま1番気に入っているガジェットは?

たこまる:カメラですね。最近ソニーの「ZV-E10」というコンパクトなデジタル一眼レフを購入して。それまでもおなじシリーズの「ZV-1」という機種を使っていたんですが、レンズを交換できないなど機能的に不足することが多く、必要に迫られるたびに大きなデジタル一眼レフを設置しなくてはならなかったんです。けれどZV-E10を買ってからは、すべてこれで解決できています。

「ZV-E10」

――なるほど。1台で高機能と手軽さを両立できるようになったんですね。

たこまる:はい。YouTuberの仕事は撮影環境が大切なので、そこにこだわる方も多いんですけど、カメラ、マイク、照明とこだわればこだわるほど、取り回しが悪くなっていきます。でもそのために腰が重くなって、動画を出す頻度が下がってしまったら本末転倒ですよね。「ZV-E10」は機能と手軽さの両面で納得できる機種でした。新調して正解でしたね。撮影がとてもはかどるようになりました。

――好きなガジェットブランドがあれば教えてください。

たこまる:ブランド単位で好きになることはほとんどないですね。というのも、最近はマウスやキーボード、ヘッドセット、ウェブカメラなど、幅広く提供しているメーカーさんが増えています。結果として、マウスは素晴らしいけど、キーボードはイマイチみたいなことが起こり得る。僕はガジェット系のYouTuberなので、特定のブランドに思い入れると評価の軸がブレてしまいます。カメラならこれ、キーボードならこれといった感じで、製品ごとに切り分けて考えていますね。

――ガジェット系YouTuberならではの目線が新鮮ですね。他にお仕事に関連して意識していることはありますか?

たこまる:たとえば、白デスクの天板を固定していないこともひとつですね。固定してしまうと、次に環境を変えたいときに困るんです。僕の家だったら、2つのデスクまわりであらゆる視聴者さんのニーズに応えていかなくてはなりません。おなじYouTuberとして、ゲーム実況者さんとおなじ枠に括られがちなんですが、ゲーム実況者さんは自身の考える最高の環境を構築できれば、基本的にはずっとそのままでいい。けれど、僕みたいなガジェット系YouTuberはパソコンを移動したり、デバイスをつなぎ直したり、場合によっては内部の部品を交換する作業も発生します。だからこそ環境をいつでも変えられるよう考えながら、環境づくりをおこなっていますね。いつでも移動できるようにしておかなければならないからこそ、配線まわりを隠せないのもガジェット系YouTuberならではの悩みかもしれません。

たこまるお気に入りの自作PC撮影の際は編集用のデスクから取り外し、撮影用のデスクに繋ぎ変える作業が発生する

――逆にゲーム実況者さんと比較して、メリットに感じることは?

たこまる:うーん、ゲーム実況者さんの暮らしを完全に把握しているわけじゃないので、ちょっとわからないですね。強いて挙げるとすれば、お部屋選びのときに防音を気にしなくてもよい点でしょうか。僕らの動画に乗る声はしゃべっているくらいのボリュームなので、近所迷惑を考慮しなくてもいいんです。なかには絶叫しているゲーム実況者さんもいるじゃないですか。お部屋選びが大変だろうなと想像しています。

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