年末年始の余暇に遊びたい、2022年に発売されたSwitch用ゲーム5選

Switch＋移動に最適なゲーム『星のカービィ ディスカバリー』

　カービィの可愛い外見にだまされてはならない。核搭載戦車を開発したとある研究者いわく、カービィを「強靭な胃袋はなんでも飲み込み、無残に溶かしてしまうそうだ。そして相手の能力を強奪するコピー能力で、相手の仲間になりすまして隙をつき、捕食するんだ。恐ろしい……」と評価しているが、そんなカービィ同様、彼（彼女？）のゲームもかわいいだけでなく、遊びごたえ十分だ。

　『星のカービィ ディスカバリー』は、「星のカービィ」シリーズ最新作。舞台はポストアポカリプス風の”新世界”で、カービィ初となる3Dアクションを使った冒険を楽しめる。また3Dアクションのほかにも、自販機や車すら吸い込んで「ほおばりヘンケイ」ができたり、自分の拠点を設け、ワドルティたちを集めて一緒に生活できるなど新要素も充実している。

　ところでNintendo Switchの弱点として、ハード性能があまり高くないことと、持ち運び状態での操作が今一つよくない点が挙げられる。これは持ち運べるよう設計した代償でもあるのだが、結果的にNintendo Switchはフォトリアルな映像美を楽しむには性能が低く、高度な操作を求める3Dゲームなども入力の難しさからあまり楽しめない。

　その点、『星のカービィ ディスカバリー』はフォトリアルでこそないが、パステルカラーの色彩に、かわいらしいカービィやワドルディたちの登場で、むしろ映像美を楽しむ新作にはない”癒し”があるし、操作にしてももともとゲーム初心者でも楽しめるよう設計された理念を3Dアクションに適応すべく、攻撃の判定や移動の慣性を遊びやすく調整し、初心者だけでなくNintendo Switchの不十分な操作でも十分楽しめるのだ。

　まさに「スイッチを持ち運んでいる時に遊ぶ最適な3Dアクションゲーム」が『星のカービィ ディスカバリー』なのである。

バトルではなくあのモードを遊んでほしい『スプラトゥーン3』

　このゲームの説明は不要かもしれない。イカ（タコ）をモチーフとした種族同士で戦う対戦型アクションシューターで、国内では3日で345万本という記録的快挙を達成した。本稿を読む読者も、バンカラ街のロビーで次のバトルに備えている最中かもしれないし、そうでなくとも、さすがに名前ぐらいは知ってる人が大半を占めるものと思われる。

　だからこそ、ここで『スプラトゥーン3』の名前が挙がることに疑問を抱くかもしれない。つい先ほど、Nintendo Switchの携帯モードでは、操作など様々な困難があると論じたが、それなら激しいシューティングゲームの『スプラトゥーン3』はもっとも向かないゲームのはずだからだ。

　だがここでおすすめしたいのは同じ『スプラトゥーン3』の中でも、「バトル」ではなく「ヒーローモード」だ。本作には一人でも遊べる「ヒーローモード」が搭載されているのだが、こちらはさまざまな独自のギミックに加え、絶妙にプレイヤーの挑戦心をくすぐる難易度調整、さらに前半は笑えて後半はアツい演出、さらに世界観の真相に迫るストーリーと、このモードだけで一本のゲームとして売り出せるほどイカしてる。

　確かに「バトル」や「サーモンラン」を携帯モードで遊ぶのは苦しいが、「ヒーローモード」はネットの接続が必要なく、ステージごとの時間は数分と短く、代わりに膨大かつ多様なチャレンジが用意されていて、まるで飽きない。つまり、帰省の余暇にはもってこいであり、購入して早々に「バトル」や「サーモンラン」を始めたので「ヒーローモード」は一切プレイしていないという人は、ぜひ帰省のタイミングで遊んでほしい。ただし、まれにとんでもなく難しいステージもあるので、家族の前で台パンなどしないように。

年末年始は積みゲー消化にピッタリ

　以上、「2022年内に発売」「Nintendo Switchの携帯モードで遊ぶ」「年末年始のダラダラ生活に合う」という条件まで絞って5本の作品を紹介した。かなり厳しい条件だったが、いざ書き始めるとあっという間に候補が浮かびここまで評が揃ったので、2022年のゲームはやはり豊作だったなぁと改めて感じた。この条件に当てはまらないゲームはnoteでも紹介しているので、そちらもぜひ参照してほしい。

　なお、より細かいゲームのプレイフィールとして、筆者の主観ながら以下のように解釈しているので、5本の中から選ぶのが面倒という人はこちらも参考にどうぞ。

　待ちに待った年末年始の休暇。それなりに暇ではあるが、かといって仕事にかかわりそうなのはうんざりだという人は、ぜひおのおのお気に入りのゲームを遊んですごしてほしい。