『17LIVE』新COO・Alex Lien氏に聞く、「カルチャー」が評価される日本における戦略とは? 「ライブ配信=“可愛い女の子”を見ること」を払拭できた理由
「ストーリー性」を取り入れることでライブ配信は成長していく
ーー昨今『17LIVE』の新たな試みとして実施している「ライブコマース」は日本では、まだそこまでメジャーではありませんが、今後大きな需要が見込める分野だと思います。そこに関して何か考えていることがあれば教えてください。
アレックス:中国ではすでにライブコマースで成功を収めている事例が多々見られますが、日本ではまだそこまで発展していないと私も思っています。ですが、認知を広めるという意味での試みで、自動車メーカーのHyundaiと提携してライブコマースによる電気自動車の販売を行ったところ、なんと1時間で3台のオーダーが入りました。思った以上に需要はあるということに気づきました。こうした成功例を作ることで、販売チャネルとしての可能性があるということを他のメーカーにも積極的に知らせていこうと思っています。自動車に限らずコスメなど様々な分野のメーカーにたいして今後こうしたライブコマースの販売チャネルの認知を広め、更なる可能性を広げていきたいですね。
――先ほどは対企業への新たな取り組みを紹介いただきましたが、サービス内で今後チャレンジしていく領域はありますか?
アレックス:これまでとは違うタイプのユーザーを開拓していくことがサービスの拡充に繋がると考えています。なので、まだ可愛い女の子と話ができるサービスというイメージが大きいかもしれませんが、そうでないところに力を入れていくためのとても大きなカギになるのがV-Liverやゲーム、アニメーションだと思うんです。そのひとつの試みとして、12月中旬にはアバター機能を導入しました。ライバー、リスナーがアバターとなってライブ配信に参加できるようになるので、より相互的でインタラクティブなコミュニケーションが可能になりますし、これまで配信に参加できなかった人も配信を始められるようなきっかけになってくれればいいなと思っています。
――最後に、ライブ配信市場は今後どうなっていくか、『17LIVE』の今後の展望を聞かせてください。
アレックス:ライブ配信は突き詰めればエンターテインメント。リアルタイムで皆が楽しんでくれるものを提供するというのが我々の核にはあるので、そこはずっと変わらないと思っています。テクノロジーを用いて、リアルタイムで多くの人たちに楽しんでもらえるサービスを今後も続けていきたいですね。そのために、今後はライブ配信に「ストーリー性」を取り入れていきたいんです。世界を虜にしている日本のアニメもストーリー性があるからこそ、キャラクターを応援し、ファンの輪が広がっていく。現在力を入れている V-Liverをこれに置き換えると、『17LIVE』のプラットフォーム内にV-Liverそれぞれの世界観というものを存在させ、様々なストーリーを繰り広げていくことで、見た目が素敵なことだけでなく、リスナーが深く共感して入り込めるライバーそれぞれの世界観を創出していけるのではないかと思っているんです。V-Liverに関しては、2023年のトピックスとして大きなものになるはずです。今後を楽しみにしていてください。