これまでと異なる購入体験ができる?Makuake(マクアケ)がECストア「Makuake STORE」リリース

 作り手や起業家、企業の新規事業担当者が実現したいプロジェクトを立ち上げ、インターネット上で資金を調達する「クラウドファンディング」。

 ひと昔前と比べても、随分と市民権を得てきているような状況であり、多種多様なプロジェクトが日々生まれている。

 特に近年では“0次流通”と呼ばれる一般市場に出る前の新たな市場に注目が集まっており、企業が世に出す前のテストマーケティングやユーザーニーズの把握に、クラウドファンディングが使われるケースも増えているといえよう。

 そんななか、クラウドファンディング市場を切り開き、現在は応援購入という新しい買い物体験を提供するサービスが「Makuake(マクアケ)」だ。

 これまでMakuakeを通じて誕生したプロジェクトは2万件以上に上り、実行者の想いや熱意が詰まった商品やサービスが次々と世に出されてきた。

 来年には創業10周年を迎えるMakuakeだが、当時から掲げているビジョンの実現に向け、Makuakeのサービスサイト内で運営していたEC機能を「Makuake STORE」として独立させる運びとなった。

 2022年9月15日に行われたメディア向けの事業発表会では、EC事業を本格化する狙いや今後の展望について発表がなされた。

Makuake発の商品をさらなる「グロース」に結びつける

マクアケ 共同創業者/取締役の坊垣 佳奈氏

 冒頭では、株式会社マクアケ 共同創業者/取締役の坊垣 佳奈氏が登壇。

 Makuake STOREの事業説明についてプレゼンテーションを行った。

 マクアケは、創業当初から社員全員で考えた「生まれるべきものが生まれ 広がるべきものが広がり 残るべきものが残る世界の実現」を目指し、これまで事業を行ってきた。

 こうしたビジョンを達成するために、Makuake STOREのリリースに至ったという。

 マクアケの事業としては、大企業のR&D技術やアイデアを具現化し、まだ世にない新たな商品を生み出す「プロデュース」や、Makuakeのサイトを通して新商品の「デビュー」をサポートしてきた。

 そして、今回のMakuake STOREのリリースによって、Makuakeから生まれた商品のさらなる「グロース」に結びつける狙いがあると坊垣氏は言う。

 「これまではMakuakeのサービスに付随する形でEC機能が存在していたが、Makuake STOREとして独立させることで、量産して一般販売する際の売上サポートに寄与できるのではと想定している」

 このようにMakuake本体とは切り離し、Eコマースを運営していく判断に至ったのは、事業者と生活者からの反響が大きな要因になっている。

 事業者のニーズとして、約7割の実行者がMakuakeでの先行販売実績を活用し、その後の一般販売にまでつなげているという。

 また、その実績を営業ツールとして活用したり、一般販売前に需要予測するためにMakuakeを利用したりもしているそうだ。

 「Makuakeでプロジェクトを実施することで、商品や会社の認知獲得につながり、既存販路でのコミュニケーションでは開拓しきれなかった新規ファンの獲得の場として利用が進んでいる。それに加え、ファンの意見やフィードバックが商品開発の参考になったというお声もいただいていて、事業者におけるニーズの高さを肌で感じている」(坊垣氏)

 一方、生活者のニーズとしては、他サービスや実店舗にはない独自性や機能性の高い商品が多くラインナップされていること、事業者のリアルな声や制作ストーリーを通して応援購入を促すこと、そして、一般販売前の先行販売という形ゆえ、どこよりも早く画期的な商品を手に入れられることなどが挙げられるという。

 坊垣氏は「Makuake STOREのリリースで、創業時から掲げるビジョンの実現へと近づけていきたい」と抱負を語る。

 「Makuakeで“生まれるべきものが生まれる”世界を達成し、グローバル展開を支援するMakuake Globalや今回のMakuake STOREでEC事業を強化することで、“広がるべきものが広がる”世界を目指していければと考えている」

目的・指名買いではない「商品との偶然の出会い」を創出する

 Makuake STOREのポジショニングは、写真のようにEコマースやECモールの特徴である機能性や価格、利便性を重視するものではなく、作り手のこだわりや想いが詰まったストーリーコマースに分類されるという。

 目的や指名買いとは異なり、セレンディピティ(偶然の出会い)を醸成し、Makuake特有の幅広いジャンルの品揃えから偶発的購買につなげていくのが、Makuake STOREの立ち位置といえるだろう。

 事業者目線では、Makuakeでのプロジェクト実施後における販路として活用できたり、自社ECや他のECプラットフォームには新たな切り口で商品を訴求できたりするのがメリットになっている。

 生活者に関しても、Makuakeでの実績を参考に商品を買えることや、店舗や他のECサイトではめぐりあえないユニークな商品と出会える。

 「リアル店舗でのウィンドウショッピングのような、楽しくショッピングができる体験をオンラインでも実現できる世界観を目指したい」と坊垣氏は抱負を述べた。

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