関口メンディー、深刻な問題を抱える高校生たちとどう向き合う? 教師・覆面レスラー役でドラマ初主演

 水沢、秋田、曽田、紺野が演じたのは、それぞれ問題を抱えている生徒の役。複雑な役を演じるにあたって心がけたことを聞かれると、彼氏との間に予期せぬ妊娠をしてしまい思い悩む生徒役を演じた秋田は「私は妊娠の経験がないですし、想像があまりできなくて。自分でインタビューを調べたり、監督と逐一相談したりして演じました。作中での先生のセリフに本当に救われるシーンもありましたし、考えさせられることも」と語る。紺野は「私は家計を助けるためにいろいろなアルバイトをしていく役だったんですけど、やっていくうちに危ないことに巻き込まれていく感じがリアルに感じました。自分の行動の善悪がわからない役だったので、監督からも、あえて悪いことをしていると思わないでと言われました」、曽田は「僕は受け子のバイトを知らず知らずのうちにやってしまう役で。そもそも受け子ってどんなことをするんだろうと色々調べたら、闇サイトの募集もかなり出てきたこともあって、身近なことなんだなと思いました。フィクションだけど、現実的な側面もあるので、そういう問題に対して考えてもらえるきっかけになったらと思います」とそれぞれの役柄の難しさや対する思いを語った。

 撮影現場での裏話を聞かれると、「みんなでゲームしたよね。僕達がゲームしているところをメンディーさんがスケッチしていました」と曽田。スケッチをしていた理由について聞かれたメンディーは「最近絵を描くんですけど、みんなが楽しそうにしているところがすごく美しくて、これを残したいなと思って描きました」と話した。

 フリップトークでは、『覆面D』で描かれる“2つの顔”にちなみ、共演者のもうひとつの顔についての質問が。酒井は武知を挙げ、「すごく技が美しくて、隣の席にいたDDTプロレスの社長も『すごい、あんなんできないよ、どうやってるんだ』ってずっと言っていて。私も見ていて格好いいなって思ったんですけど、リングでは格好いいのにリングから降りた瞬間に足首をぐにゃってひねったりして、笑いが止まらなくて。そのギャップが魅力的だなって」と彼の撮影で見せたギャップについて語った。

 水沢も武知を挙げ、「すごい物知りで、歩く事典なんです」と意外な一面を明かすと、武知は「普段からなんでだろうって思うことが多くて。例えばエスカレーターって関西が右で関東が左に乗るじゃないですか。それは商人の街と武士の街で、そろばんや刀がすぐに取り出せるようにするっていう違いがあったみたいなんです」とさっそくうんちくを披露し、会場を沸かせた。 

 フリップトークを終えると、なんとメンディーから共演者に向けて手紙のサプライズが。登壇者が驚きで顔を見合わせる中、手紙を読み始める。『覆面D』を多くの人に届けたいという思い、そしてこの日登壇した一人ひとりへの感謝とエピソードを語り、「みんなを知っていくのは本当の教師のような感覚でした。高校教師になりたいという夢を持っていたこともありましたが、それを今回叶えられました。今作で触れられている貧困やヤングケアラーの人々の背中を押すことが次の夢です」と締めくくった。


 
 手紙の感想を求められた水沢は「メンディーさんはこういう感動するようなことを沢山言ってくださるんですけど……」と言葉を詰まらせ、「だから僕こういうの弱いっていったじゃないですか!でも本当に、こんなに先生を尊敬して大好きになる作品は無かったので、メンディーさんとともにできてよかったなと思います」と思いを語った。

 最後に作品について、「強くて頼もしい先生でも、ひとたび違うところに行ったら自信をなくしたり壁に当たったり、教師として以外の描き方も巧みに描かれているので、ぜひ観ていただきたいです。私はBALLISTIK BOYZの松井利樹さんの母親役を演じたんですが、彼は初のドラマ出演でありながら真剣に切実に演じていたので、彼の演技も楽しんでいただけたらと思います」と酒井。メンディーは自身の役について「すごくおせっかいな人だと思う」としながら、「おせっかいってすごく大事なんじゃないかって思っていて。コロナ禍もあって人との繋がりが希薄になっているところがあると思うんですけど、人と繋がることで生まれるものにフォーカスした、今世の中にとって必要な作品だと思っています。沢山の方々に触れていただきたいです」と作品への思いを語り、締め括った。

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