飽和したスマートフォン市場に刺激をもたらす? 『Nothing Phone(1)』の“遊び心”について考える

 英Nothingから7月13日に発表され、日本市場への8月の投入も予定されている新型スマートフォン『Nothing Phone(1)』。スケルトンデザインやLED発光機能「グリフ・インターフェイス」などが話題となっているが、その真価は「遊び心」にあるのかもしれない。

 コモディティ化が進み、つまらなくなったスマートフォン市場において、『Nothing Phone(1)』はどのような役目をはたすことになるのだろうか。長期レビューにより、その哲学を読み解いてみよう。

美は細部に宿る

 『Nothing Phone(1)』は、持っているだけでもワクワクするスマートフォンだ。その理由の一つとして、細部まで作り込まれたデザインがあげられる。

 たとえば背面のグリフ・インターフェイスには900個以上の微細なLEDを埋め込むことで、車のヘッドライトのような、なめらかな表示を実現している。このグリフ・インターフェースでは着信の通知や充電状態の表示、Google アシスタントのフィードバック、そしてカメラ撮影の補助光としての役目をはたしている。

 外からその構造がよく見えるワイヤレス充電コイルでは、15Wの高速無線充電に対応。さらに5Wのリバースチャージ機能により、Nothingの『Nothing ear(1)』を含めたワイヤレスイヤホンの充電ケースが充電可能だ。リバースチャージの利用時にも、グリフ・インターフェースが発光する。

 背面のメインカメラは5000万画素で、OIS(光学手ブレ補正)およびEIS(電子手ブレ補正)に対応。超広角カメラも5000万画素で、114度の撮影画角を実現している。

 スマートフォンの前面には、6.55インチの有機ELディスプレイを搭載。こちらは最大120Hzの高速駆動や、240Hzのタッチサンプリングレートに対応している。フロントカメラは1600万画素で、ビューティーモードも搭載されている。

良好なパフォーマンス

 『Nothing Phone(1)』の実際のパフォーマンスをみてみよう。ベンチマークアプリ「Geekbench」のスコアを見ると、シングルコアは825、マルチコアは2998という結果だった。「Snapdragon 778G+」を搭載したスマートフォンとしては、平均以上の優れたスコアだ。

 システムの総合的な性能をチェックするOpenCLでのスコアは2407で、こちらも平均以上だ。おそらくは、余計なアプリを徹底的に省いたOS設計が功を奏しているのだろう。

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