3DS・Wii Uでいま遊んでおきたい“名作”は? 「ニンテンドーeショップ」の終了時期確定を機に振り返る
任天堂は7月19日、ニンテンドー3DSシリーズとWii Uにおける「ニンテンドーeショップ」のサービス終了について、今後の詳細なスケジュールを明らかにした。
同社によると、残高の追加が2022年8月30日午後1時30分まで、ソフト・追加コンテンツ利用券・ゲーム内アイテムの購入が2023年3月28日午前9時までで終了する予定だという。
タイムリミットの決定により、界隈では「いま買っておくべき3DS・Wii Uタイトル」のトピックがふたたび盛り上がりを見せている。“往年の名作”を歴史に埋もれさせないために。本稿でも厳選の3本を紹介する。
期待されていた任天堂の“前言撤回”。ファンからはカバーするサービスを熱望する声も
今回、ニンテンドーeショップのサービス終了時期が確定したのは、ニンテンドー3DS、ニンテンドー3DS LL、ニンテンドー2DS、Newニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL、Newニンテンドー2DS LL、Wii Uの7種のハード。それぞれ2011年から2017年の間に発売されている。
去る2021年4月には、競合であるソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、ソニー)が、PlayStation3(PS3)、PlayStation Portable(PSP)、PlayStation Vita(PS Vita)について同様のアナウンスをおこなったが、大きな反響を受け、一部を撤回した。2022年2月に大枠が発表されていた今回の対応だが、そうした例があっただけに、ユーザーは淡い期待を寄せていたはずだ。一連の動向を踏まえてのあらためての続報に、落胆の声も広がっている。
今回のサービス終了に含まれる任天堂の「バーチャルコンソール」は、ソニーの「ゲームアーカイブス」とともに、ソフトウェア販売がアナログからデジタルに移行する過渡期の時代を彩ってきた。過去のハードで発売された往年の名作をリメイクやリマスターを経ずに遊べるようになったのは、これらのサービスがあったからこそ。当時を知るプレイヤーにとっては、並々ならぬ愛着や思い入れがあるのではないだろうか。
任天堂は現在、最新ハードであるNintendo Switchにおいて、「Nintendo Switch Online」という類似サービスを展開しているが、これはダウンロードによる買い切り型ではないため、配信が停止してしまえば、以降は当該タイトルを遊べなくなる懸念がある。「各サービスを現行機でサポートしてから終了に踏み切ってほしかった」という声が大きい点には、納得・同情してしまう面もある。
いまダウンロード・プレイしておきたい3DS・Wii Uの作品たち
とはいえ、もう確定してしまったことを嘆いていても仕方がない。ここでは、約8か月後のタイムリミットまでにぜひダウンロードしておきたいタイトルを3本厳選し、紹介する。残高の追加は8月末までとなっているため、気になるものがあった場合はすぐに行動するのがおすすめだ。
ファミコン文庫 はじまりの森
1作目は、『ファミコン文庫 はじまりの森』。1999年、ニンテンドウパワーの書き換え専用ソフトとして発売された、コマンド選択型のアドベンチャーゲームだ。スーパーファミコン時代の末期に登場した同作は、オーソドックスなシステム・クリアまで10時間弱の小さなボリュームでありながら、ノスタルジックな世界観と、シンプルで味のある演出、美しいBGMなどによって、“隠れた名作”に数えられている。
以前はWiiのバーチャルコンソールでも配信されていたが、同ハードでのサービスが打ち切りとなってからは、Wii Uのバーチャルコンソールのみで配信されている。流通する書き込み済みROMカセット(書き込みサービスも2007年に終了)や、ダウンロード購入済みのWii・Wii U本体を手に入れられれば今後もプレイが可能だが、ファンの多い作品だけに新たに出回るケースは考えにくい。リメイクやリマスター、Nintendo Switch Onlineでの復刻がなければ、まもなく歴史に埋もれてしまう同作。厳選した3本に名前を挙げても差し支えない作品であるのは間違いない。ゲームカルチャーを支えるフリークには、こうした作品を未来まで語り継いでいく使命もあるのではないだろうか。