『今日好き 皐月編』3話ーーゆいなが失恋した相手は? 「恋愛対象」に見られない苦しさ

ゆいな、はやとを恋愛対象として考え直した理由は?

 ゆいなの傷心ぶりは読者もお察しの通り。そんな抜群のタイミングで、はやとが登場。彼はまだ、ゆいなにとって自身が単なる“友だち”だとは知らない状態。このまま何事もない関係性を続ける選択肢もあっただろうが、ゆいなはふたつの意味で本当に偉いと思った。

 まずは、この時点で隠しごとをせず、はやとはあくまで“友だち感”が強い存在だと明かしたこと。そしてもうひとつは「ホンマにちゃんと恋愛対象として、もう一回見てほしい」という彼の願いをしっかりと理解して前向きに捉えていたことだ。それはなぜか。答えは簡単で、ゆいな自身がつい先ほどまで、りんのすけに対してほとんど同じ願いを伝えていたからである。立場こそ違えど、自分にとってのりんのすけは、はやとにとっての自分なのだ。

 もしここで、はやとの“恋愛対象になれるように考え直してほしい”という告白をただ受け止めるのみで、その想いを時間の流れとともにエスケープしてしまったら。それはまったく同じことを、りんのすけに求める権利がなくなるのと同義である。ゆいな自身がこのあたりを察していたのか、はたまた無意識だったのかまでは描かれていないが、『初虹編』でもすでに知られている通り、本当に思考派の人付き合いをする筋の通ったタイプだと感じられた。「もう一回、恋愛対象として真剣に考えたい」とした彼女の最後の言葉が、何よりもの証拠である。

 ところで、この複雑な関係性のキーパーソンであるりんのすけ。第4話の次回予告では、まさかのエイミーとの手繋ぎを披露していたが……。その理由ははたして。『皐月編』、本当に読み解くのが難しい。

【写真】『今日好き 皐月編』参加メンバー

【場面写真】『今日好き 皐月編』3話ハイライト(全10枚)

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