キーボード沼”という深い世界(第三回)
自分好みのキーボードに出会える? KeychronやKBDfansなど、おすすめメーカー&オンラインショップを紹介
一度入ると抜け出せないという危険な“沼”。そんな沼がガジェット界にも存在しているのはご存じだろうか。カメラ沼、レンズ沼、マイク沼——。なかでも筆者が足を踏み込んでしまったのが、「キーボード沼」だ。
前回はキーボードの沼の入口としてキースイッチにフォーカスした内容をお届けした。今回は、沼の中枢ともいえるキーボードメーカーについて、おすすめのオンラインショップについて紹介していこう。
カスタマイズ初心者におすすめしたいキーボードメーカー“Keychron”
お好みのキースイッチにキーキャップを付け替えるにしても、母体となるキーボードがなくては話が進まない。かといって、いきなり1からの自作となると敷居が高すぎてなかなか踏み込めない。そんな初心者におすすめしたいのがKeychron(きーくろん)製のキーボードだ。
Keychronは、キーボード愛好家のグループによって設立された香港を拠点とするキーボードメーカー。長年キーボード製造に携わってきたメンバーが集結したということもあり、洗練された無駄のないデザインが人気を博している。
また、サイズや機能などの種類も豊富で、有線とBluetooth接続(3台ペアリング可能)兼用のものだったり、バックライト搭載のモデルだったり、用途や予算に応じたラインアップも魅力のひとつ。全体的に価格が抑えめなのもうれしいポイントだ。
種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない人は、今後のために軸が交換できるHot-swappable(ホットスワップ)モデルを選択すればOK。ただし、注意点がひとつ。Cherry MX互換のないOptical(光学式)タイプのスイッチは避けよう。Optical(光学式)タイプは、光の遮断により動作するスイッチで、メカニカルスイッチとは異なる形状なのだ。
キースイッチやキーキャップなどのアクセサリーも取り扱っている。最近はKeychron製のマウスなども販売しているので、興味のある人はいろいろ見てみよう。同じ送料ならば、いろいろまとめ買いしておくとお得感もでるぞ。
また海外から個人輸入になるので、やや敷居が高いと思われるかも知れないが、クレジットカードやPayPalで支払いが可能なので思った以上に簡単だ。住所もローマ字で入力すれば2〜3週間程度でお手元に届く。住所の入力の仕方がわからない人は下記のようなサイトを利用すれば、日本語入力したものを自動的に英語表記にしてくれるのでおすすめだ。
なお、品ぞろえは悪くなるがAmazonをはじめとする国内のオンラインショップでも購入可能。2022年3月現在では円安が進み、個人輸入で購入してもあまりお得感はなくなってきているので、個人輸入に抵抗のある人はそちらを利用するのもありだ。
キースイッチやキーキャップなどアクセサリーが豊富な“KBDfans”
KBDfans(けーびーでぃーふぁん)は中国の通販サイトで、キーボードにおけるさまざまなパーツを格安で購入することができる。品質もしっかりしていて、Keychron同様、クレジットカードやPayPalによる支払いが可能なため、気軽に個人輸入が可能だ。
とにかく種類が多く、「これ、何に使うの?」というような不思議なパーツも販売している。ちょっと路線はずれるが、KBDfansでおすすめしたいのがクリーニングブラシ。わずか2ドルと安くて使いやすいのが魅力。筆者は別のパーツを購入の際に、試しに購入して見たのだが、思いのほか使いやすくて、再度複数購入したくらいの逸品。ついでに買って損はないアイテムだ。
コミカルでかわいらしいデザインが人気の“AKKO”
AKKOは中国のキーボードパーツメーカーで、独自のキースイッチやキーキャップが魅力のメーカーだ。品質も非常に良く、公式のオンラインショップ以外でも、Amazonをはじめとする国内のオンラインショップでも購入しやすいのも魅力のひとつだ。
まだまだあるぞ!おすすめオンラインショップ!
いくつかおすすめのメーカーを紹介してきたが、ご覧の通りキーボードカスタマイズ界隈は中華製がとにかくアツい。中華製はなんとなく「安かろう悪かろう」のイメージが定着しているが、ことキーボードパーツに至っては、高品質で良質なデザインなものが多く、また値段も控えめなので信頼性は高い。
そこでおすすめしたいのが“AliExpress”だ。中華版Amazonという感じのオンラインショップで、キーボードパーツも非常に多く取り扱っている。
難点は多くのショップが参入していることもあり、商品到着の日数に幅があるところ。場合によっては1カ月以上かかることもあるので、気長に待てるものでないと買う気になれないことも……。
意外と穴場なのが千石電商オンラインショップ。Cherry(ちぇりー)軸やKailh(かりる)軸が1個単位で購入できる。ラインアップは少ないが、ピンポイントで欲しいものがあった場合は活用しよう。
https://www.sengoku.co.jp/index.php
国内でキーボードパーツを専門に取り扱っているショップといえば遊舎工房(ゆうしゃこうぼう)も忘れてはならない。上野に実店舗があるため、実際に物を見ながら購入することもできるのが強み。自作キーボードの工作室があったり、レーザーカットサービスがあったりと、より自作向けなサービスが充実している。オリジナルのグッズも販売しているガチ勢よりなショップといえる。
キーボードカスタマイズの第一歩を踏み出したいならば、とにかくKeychronシリーズがおすすめ。そのまま普段使いのために購入してみて、自分好みにカスタマイズしたくなったらキースイッチやキーキャップを購入してあれこれ試してみるのもいいだろう。
ポイントは、Cherry MX互換であること。またホットスワップ可能であること。このふたつを抑えておけば、軸を変えたくなった時の自由度が段違いなので覚えておこう。