「ahamo大盛り」で得するユーザーとは? ドコモのデータ大容量プランを徹底解説

 このように見ると、ニーズを的確にとらえたようにも見えるahamo大盛りだが、5Gギガホ プレミアも、各種割引を適用すると料金は割安になり、両プランの差が縮まる。5Gギガホ プレミアは“定価”が7315円だが、家族のドコモ回線が3回線以上だと1100円、支払いをdカードに設定すると187円の割引を受けられる。この時点で、料金は6028円まで下がり、ahamo大盛りとの差は1078円に迫る。

 5Gギガホ プレミアは光回線やホームルーターの「home 5G」を契約している場合、さらに1100円の割引を受けられる。この場合の料金は4928円で、ahamo大盛りの4980円をわずかながら下回る。ただし、標準で5分間の音声通話定額がつくのは、ahamoの強みだ。5Gギガホ プレミアでは、同様の「5分通話無料オプション」が770円で提供されているため、これを加味すればahamoの方が料金は安い。

5Gギガホ プレミアは各種割引適用で4928円まで下がり、料金としてはahamo大盛りより割安になる。ただし、5分通話無料オプションは別建てだ

 データ通信はかなり使うが、無制限まではいらないというユーザーであれば、大盛りオプションをつけるのはありだ。また、上記の比較はあくまで各種割引を加味したときのもの。一人暮らしのユーザーが単独で契約する場合には、ahamoの方が安くなる。家族を巻き込んだり、固定回線を契約したりする必要がないため、気軽に使える料金プランと言えそうだ。

 他社のオンライン専用プランに大容量のオプションがないのも、ahamoの強みと言えるだろう。KDDIはpovo2.0のトッピングに60GBや150GBの選択肢があるが、これは6カ月間で20GBなり25GBなりを安く使うためのもの。ソフトバンクのLINEMOにも20GB以上の料金プランは用意されていない。

 大容量を使うヘビーユーザーへの選択肢を手厚くしたahamoだが、ドコモはUQ mobileやワイモバイルのような小容量プランが手薄になっている。こうしたユーザーには、ドコモショップで契約できる「エコノミーMVNO」を用意しているものの、ドコモ自身には「ギガライト」や「5Gギガライト」といった段階制の料金プランしか存在しない。

ドコモは低容量のユーザーに向け、エコノミーMVNOを展開している。MVNOのため、料金は安いが、ドコモ自身が運営していないため、手続き上や通信品質上の課題が残る

 ドコモはNTTコミュニケーションズを子会社化しており、エコノミーMVNOの1社であるOCNモバイルONEを実質的なサブブランドとみなすことはできる。一方で、別会社であるがゆえに切り替えの手続きは煩雑になるのも事実だ。MVNOのため、通信品質もドコモと同等にはならない。UQ mobileやワイモバイルはユーザー数も大きく伸びているため、ここにどう対抗していくかが今後のドコモの課題と言えそうだ。

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