ビジネスとクリエイティブを拡張する Adobe Expressの可能性

「SNSにはきっかけを置いておきたい」東京・渋谷の古着店「BOY」がインターネットに思うこと(後編)

 アドビの提供するサブスクリプション型クリエイティブツール「Adobe Express」は、iOS・iPadOS/Android/WEBに対応しており、簡単な操作で誰でも手軽に高品質なコンテンツを作成できる。本連載ではこのツールで、各業界のクリエイティブにおける「課題」を解決していく。

 今回は東京・渋谷の古着屋「BOY」オーナー、奥冨直人氏へのインタビュー後編だ。体験を共有する“場”を作ることを大事にする奥冨氏だが、デジタルとフィジカルの交流をともに重視しており、SNSへの投稿も楽しみながら行っているという。後編では「Adobe Express」の活用についてさらに掘り下げ、具体的な使いみちについて検討するとともに、彼らしいユニークな使い方も提案していただいた。

ーー商売人として、お店のオーナーとしてはSNSをどう捉えていますか?

奥冨:いろんなお店のアカウントを見ますが、それぞれの個性が出ていいなと思っています。お店の個性がもはや、セレクトとは違うところでも出てくる時代ですよね。それまでの服屋って内装とか、あと一番大事なのはスタッフですけど、店にいる人とかで空気が変わったと思うんです。そういう方々の脳の中にあったデザインを、いまはSNSで表現できるわけじゃないですか。だから個性がめちゃめちゃ出ますよね。うちはただ単純に物だけをアップして説明もしないようなアカウントだけど、気になったら足を運んでくれるような、嬉しい流れができたらいいなと。

ーーAdobe ExpressではSNS投稿、例えばInstagramのストーリーなども制作できます。

奥冨:まさに便利そうな機能ですよね。コラージュも楽しそう。あとは仕事以外でも、たとえば友人や仲間のグループで、何か催事をするとかにも楽しく使えるかも。それこそこの「東京女子旅」とか、こういうのを仲間と作って盛り上がるみたいな、仕事目線じゃなくてもそういうクリエイティビティで遊ぶというか、思い出とかを入れてしおりを作ったりするのも面白そうですね。

 

コラージュや写真のリミックスも簡単に制作できる。

身内の旅行のしおりとかがこのクオリティで届いたらちょっと面白いよね。服屋がポップアップストアをやるときにもいいかもしれない。日によって変わる張り紙を、ちょっとバイトの子にお願いしても作れるし。YouTubeのサムネイルとかもそうだけど、なんか結構身近なところでもめちゃめちゃ使えるんじゃないかなあ。

ーー他に気になるテンプレートはございますか?

奥冨:ワークシートとかプレゼンテーション用のテンプレがあるのも助かる。実は僕はこういうのがすごく苦手で、たとえば近頃は企業の方とお話することも増えてきたんですが、資料を作るのが苦手で、お喋りしかできないんです。手書きならできるんですけどパソコンで資料を作るのがすごく苦手で、でもこれならできそう。

 

ワークシートやプレゼンテーションの資料など、ビジネス用のテンプレートも揃っている。

 こうして細かいテンプレートが揃っているのは結構嬉しいですね。真っ白の画面に「いろんなフォント使えますよ」とか「いろんな機能ついてますよ」じゃなくて、自分にどれが合ってるかがわかる。SNS以外でもめちゃめちゃ使えるし。

ーー画像をテンプレートに配置すると、背景を切り抜いてくれる機能もあります。

そんな認識機能があるんだ! これ、他のお店のSNSでよく見るやつです。背景の置き換えを自動でできるんですね。いまこの画面を見て思ったけれど、たまにスタイリストの仕事で、コーディネートを提案しなくちゃいけないことがあるんですけど、それで服を並べて、組み合わせて撮影したりするんです。そういう画像も簡単に作れるかも。いつも切り取りができなくて、画像を並べて想像してもらっていたんです。

ーー試しに作ってみましょうか。

奥冨:うちみたいな1人で営業してる店はそういうコーディネート提案がしづらいんですよ。この切り抜き的な機能は、雑誌の編集的な楽しさもあるし、1枚の画像で伝わるからとてもいい。靴とかも並べたらさ、それだけでもスタイリングを提案できるし、結構楽しいかも。

奥冨氏のカメラロールから画像を選び、配置した様子。コーディネートの提案にも活用できそうだ。

ーーこれはとてもユニークな活用方法ですね。

奥冨:これは服じゃなくてもいろんな楽しみ方が考えられるよね。食べ物が好きな人もそうだし、スポーツ用品でもそうだし、出来上がる画像もわかりやすい。組み合わせって本来、すごく想像力が必要なことだから、こういうサービスがあるといいきっかけになるよね。いろんな使い方を想像していくのも面白いけど、なによりいま教えてもらって、10分でここまでできるのが本当に手軽でした。しかも楽しい。普段僕はこういう事ができないから、ほかのお店がやっている切り抜きとか「こうやってやっているんだ!」という驚きもありました。

ーー今後も、折に触れて触ってみてください。

奥冨:時代に追いつけてないと痛感しました。ぜひ使ってみます。

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