にじさんじ・叶が大切にするのは「リスナーとの出会いの場所」　途切れることのないゲーム配信への熱意

　100人以上のメンバーが在籍するバーチャルタレント事務所・にじさんじ。所属するメンバーは多面的かつ多彩な活動を通し、様々なエンターテイメントの魅力をリスナーに届けようと試みる。ある者はその歌声に、ある者はそのトーク力に、ある者はそのゲームスキルに、それぞれ得意とする領域・テクニックを持ち、リスナーやファンにエンターテイメントを日々、届け続けている。

　2018年5月2日に活動を開始した「にじさんじゲーマーズ」は、ゲーム配信に特化したバーチャルライバーグループであり、その後統合されるもなお「元ゲーマーズ」と称されつづけ、現在になるまでファンに強く印象付けられている。

　その理由として、やはり「ゲーム配信を通して現れるメンバーの個性・内容」がほかのメンバーらと比較しても異色かつ鮮烈であり、個々人それぞれが自身の道を歩んでいるからこそだろう。この連載を通じて元ゲーマーズからは葛葉・椎名唯華について書かせてもらったが、今回は元ゲーマーズ1期生としてデビューした叶（かなえ）について記していきたい。

　2018年5月2日にデビューしてから初めてとなった生配信では、1時間ほど雑談したあとに彼が得意とする『PUBG』をプレイ。途中から「ドン勝しないと寝れない」というムードへと変わっていき、結果的には9時間を超える初配信となった。「ゲーム好き」という一言で表すには伝えきれない熱量とリアリティが、すでにこの配信から満ちているのがわかるだろう。

　ゲームをしている最中でもコメントを積極的に拾い、答えられる範囲でリスナーの疑問にパパっと答えたり、ふと挙がった話題にも丁寧に応対、自分から話題を持ち込んで軽やかにトークを広げていく配信スタイルは、まさにストリーマーとしてのお手本のような姿だ。

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　場を冷静に把握して会話を回せるコミュニケーション力は、多くのタレントと関わる場でも発揮され、彼が一言喋れば周りが自然と聞き、従ってしまうというシーンもまた多い。「叶さんが話している」ことへの期待感がいかに高いか、うかがい知れるだろう。現在ではにじさんじ内の公式番組を始めとし、外部の公式イベントや期間限定ながらラジオMCなどさまざまな番組でMCを務めることもある。

　物腰の落ち着いた声はとても聞きやすく、リスナーにも優しい彼だが、そのうえで「リスナーを驚かせたり、笑ってもらうためには？」というところからアイディアを発案し、時に大声でドヤしたり、血も涙もない倫理観の薄いセリフを口にしてみたりと、トークやコント・漫才の流れをうまく汲みつつもリスナーを飽きさせることがない。

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