現役じゃなくても楽しめる、遊戯王パック開封動画の魅力
筆者は30歳を過ぎた男性だが、同世代であれば、YouTubeに投稿されている“遊戯王カードのパック開封動画”を見て欲しい。恐らく確実にハマるだろう。
文字通り、『遊戯王オフィシャルカードゲーム』(以下、遊戯王OCG)のパックを開封する内容であり、主にボックスで購入した遊戯王パックを順々に開封していく内容である。今回は30代〜40代男性の読者こそ、遊戯王OCGの開封動画を視聴してほしいポイントを紹介したい。
昔の知識だけで楽しめる
最近の遊戯王OCGはルールが複雑化しており、私も“シンクロ召喚”や“エクシーズ召喚”まではなんとかわかるが、“リンク召喚”や“ペンディラム召喚”はキチンと説明されても理解するのに数日かかるだろう。(リンク召喚さえ現役デュエリストからすれば古い話なのだろうが……)
しかし、遊戯王OCGのパック開封動画は最新のパックだけでなく、昔のパックを取り上げることも多い。年を取ると何か新しいことの記憶が億劫になり、せっかく覚えたことも定着しない。ただ、開封動画に新しい知識は必要ない。次々と姿を現す、かつて死闘を共にしたカード、苦しめられたカードをただただ眺めるだけで充実した気持ちに浸れる。
レアカードが当たらな過ぎてイライラする
個人的には「Magic Ruler -魔法の支配者-」や「Spell of Mask -仮面の呪縛-」など、所謂“第2期”のパックがどストライクである。これらのパックが発売されていた時期は、アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』が放送されていた時期である。当時クラスメイトたちとアニメや漫画を見ながら日々遊戯王に対する情熱を高めていた。
第2期のパックに収録され、アニメでも活躍した「人造人間サイコショッカー」や「ウィジャ盤」といった超レアカードを持っているクラスメイトは、それだけでクラス内のヒエラルキーが一段階も二段階も上がったものだ。
そのため、第2期の開封動画を頻繁に見るのだが、懐かしい気持ちになりつつも、レアカードの出現率の低さに困惑してしまう。私が見た限りでは、1ボックスに“ウルトラレア”や“シークレットレア”などレアリティが非常に高いカードは1~2枚、次点の“スーパーレア”でさえ2~4枚、“レア(字レア)”も3~5枚というイメージ。
5、6パック明けても字レアさえ登場しないことも多々あり、メーカーに対する怒りがこみあげてくる。同時に、「これだけレアカードが出ないんだから、1~2パックをチマチマ買っていた当時にレアカードが当たらないのも当然か……」と納得してしまう。
また、開封動画から少し話が逸れるが、あまりにレアカードが当たらないことにイライラしていた小学生だった私は、この時期に“PREMIUM PACK”なる中身が全カードがレアカードというご機嫌なパックの存在を知った。「魔法の筒(マジックシリンダー)」や「千年原人」といった強力かつキラキラ光ったレアカードにテンションが上がり、ようやくレアカードを何枚もデッキに入れられた。
しかし、これらのカードは誰でも簡単に手にでき、当然友達もみんな持っている。「レアカードはみんなが持っていないからレアカードなんだな~」と“希少性”という概念を小学生ながらに学習したものだ。