iPhoneからついにLightning端子がなくなる!? ヨーロッパで規格統一の動き
iPhoneなどのApple製品ユーザーならおなじみとなっている、「Lightningコネクタ(端子)」。しかしスマートフォンの充電コネクタを「USB Type-C」へとスマートフォンのコネクタを統一する動きが、海外にて伝えられているのだ。
LightningコネクタとUSB Type-Cコネクタ
LightningコネクタとUSB Type-Cコネクタについて、おさらいしよう。LightningコネクタはAppleが2012年に発表した規格で、その特徴は上下どちらの向きでもプラグを差し込めることだ。一方でLightningコネクタは認証チップを内蔵する必要があり、また製造にはライセンス料の支払いが必要となるので、ケーブルの価格が高くなるというデメリットも存在する。
一方でUSB Type-Cコネクタは2014年に策定された規格で、Lightningと同じように上下どちらの向きでも利用できる。Lightningコネクタと比べて高速通信や大容量の電源供給が可能で、Androidスマートフォンから周辺機器まで幅広く採用されている。
Lightningコネクタの最大の問題点は、Apple製品のエコシステム内でしか利用できないことだ。そのためより大きな市場が存在するUSB Type-Cコネクタを採用した製品が充実する一方で、Lightningコネクタの採用製品はどうしても少なくなってしまう。
ヨーロッパにて法案が提出
欧州委員会では今年9月に、デジタル機器の充電コネクタをUSB Type-Cに統一する法案が提出された。もしこの法案が正式に採用されれば、少なくともヨーロッパで販売されるiPhoneにはLightningコネクタが搭載できなくなる。
さらに法案では、スマートフォンと充電器を個別に販売すること、また他社製品の充電器でも、純正品と同じ速度で充電できるように求めている。また、メーカーには2年間の移行期間の猶予が与えられる。
今回の法案の狙いは、デジタル機器から発生する廃棄物を減らすことにある。iPhoneとAndroidに限らず同一の充電器が利用できれば、スマートフォンごとに充電器を用意したり、あるいは頻繁に買い換える必要がなくなるのだ。
iPhoneはポートレス化へ?
デジタル機器の充電コネクタを統一しようという動きは、以前から存在していた。それにあわせるように、Appleは昨年発売された「iPhone 12シリーズ」にて、パッケージへの充電器の同梱をやめている。
一方で著名リークアカウントのJon Prosser氏は、将来のiPhoneではUSB Type-Cは採用されないとも報告している。その代わりに将来のiPhoneはポートレス化し、ワイヤレス充電での給電のみ利用できると予測しているのだ。
Appleのモバイルデバイスでは、すでに「iPad Pro」や「iPad Air」にてUSB Type-Cコネクタが採用されている。このことから考えても、将来のiPhoneにてUSB Type-Cコネクタが採用されるか、あるいは完全なポートレス化へと移行する可能性は十分にありそうだ。
(画像=塚本直樹)