音声が牽引するコロナ後の世界、最重要ワードは“身に付ける声”? 新概念「ボイススキン」に注目

 「Clubhouse」の登場以降、音声配信サービス市場が活況を呈している。いかに顧客目線に立ったサービスを提供できるかが重要視されるなかで、新たなタイプの音声ボットが市場を賑わせている。

 インドのIT系メディア「DATAQUEST」によると、バンガロールに拠点を置く世界有数のAIプラットフォーム企業yellow.aiは自社の音声AIボットをアップグレードしたと発表。同社はマイクロソフト社と提携し、「Yellow Messenger」から「yellow.ai」への社名の変更をもって再出発すると同時に、トータル・カスタマー・エクスペリエンス(TCE)に根差しつつ自社の音声AIボットを再ブランド化。マイクロソフト社の「Azure Cognitive Service」を統合してコミュニケーションを“見える化”し、米国進出を果たした。yellow.ai はすでに世界700以上のブランドで会話型カスタマー・エクスペリエンスの自動化を成功させているが、いわゆるGAFAの技術を裏で支える“縁の下の力持ち”的な注目の企業だ。

 同社の創業者兼CEOのRavinutala氏は「ポストコロナの世界では、顧客エンゲージメントを意識したタッチレスのユーザーインタフェースや音声デバイスが優位に立つであろう。yellow.aiの音声AIサービスは人間、AIが持つ潜在能力をバランスよく活かせる仕様となっており、それによって人間化された相互体験が生まれ、そして信じられないほどのビジネスの付加価値が見出される」と、現地ITメディアの取材に対しコメントした。

 コロナ禍をきっかけに、各業界は目まぐるしく生まれ変わろうとしている。コロナ禍に伴う相次ぐロックダウンにより廃業へと追い込まれた企業もあれば、逆にコロナ禍のピンチをチャンスを変え、著しい成長を遂げた企業もある。デジタルトランスインフォメーションの世界的需要に合わせてビジネスを展開するyellow.aiはまさに後者の事例だ。今では米国のトップに立つ企業として、世界中の企業との提携にも積極的な姿勢を示しているyellow.ai。今後さらなる成長を遂げていくことだろう。

 さらに、「Clubhouse」の爆発的人気が影響し、「ボイススキン」という新たな概念も生まれた。ボイススキンとは、米国マサチューセッツ州に拠点を置くModulate Incが音声でヴァーチャルアイデンティティを表明するために提唱した概念であり、いわゆる“身に付ける声”だ。

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