子ども向けゲームアプリが賭博サイトへの“秘密の入り口”に

 アプリデベロッパーのKosta Eleftheriou氏は、App Storeで公開されていた子ども向けゲームアプリ「JungleRunner2k21」が、賭博サイトへの“秘密の入り口”として利用されているのを発見した。同アプリは現在削除されている。

 サイトに入るのに課金やパスワードなどは必要なく、VPNをトルコに切り替えてから再度立ち上げると、オンラインカジノに繋がるようだ。

 ただしこれが必ずしも違法であるとは限らない。App Storeのポリシーでは、ギャンブルが合法な国に限り、ギャンブルアプリの公開を許可しているからだ。おそらくこのアプリの開発者も、IPアドレスを確認しているから合法だと主張するだろう。

 それでもEleftheriou氏は、このアプリが詐欺を行っている可能性が高いとしている。削除される前に確認されたレビューには、「当選金の支払いのため高額なデポジットを支払ったが、当選金が支払われることはなかった」などと記載されていたという。これまでにいくら騙し取ったかは定かではないが、かなり大きな金額となるかもしれない。

 さらに同アプリは、メディア『CNNトルコ』で紹介されたかのような偽の広告を打っており、ほとんど黒に近いように見える。

 しかし開発者はアプリ内課金機能を利用しておらず、ウェブサイトでも運営が可能な賭博サイトを、なぜApp Storeで公開したのだろうか。

 Eleftheriou氏は、 Appleが声高に主張する“セキュリティ”や“プライバシー保護”を利用したものと考察している。App Storeの審査を過信した、危機意識の低いユーザーを狙っているというのだ。

 同氏は、偽の星5のレビューや、詐欺アプリが横行するApp Storeにおいて、審査はすでに機能していないと批判した。しかし同社は最近、Epic Gamesとの法廷闘争の中で、裁判所に「Appleは、アプリが公開される前に厳格な審査を実施している」と述べたばかりだ。

 一部からは審査が厳しすぎるという声も聞こえる中、ポリシーの隙をついた詐欺アプリも横行しており、Appleはその間で板挟みとなっているようだ。

(画像=Twitterより)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://www.theverge.com/2021/4/15/22386533/ios-app-scam-jungle-runner-magical-forest-apple-kosta
https://twitter.com/keleftheriou/status/1382750329972805633

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