「映像を捨てたい」Spotifyとテレ東が“音声領域”でタッグを組む意義とは

Spotifyとテレ東が“音声領域”でタッグを組む意義

カメラのないパーソナルな空間で取材対象者の本音に迫る

ーー新たに始まる『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』は、従来の『ハイパーハードボイルドグルメリポート』とどのように違うのでしょうか。

上出:今まで海外が舞台だったのが国内になったくらいで、伝えたいこと自体はほとんど一緒です。“世界はすべて地続きで、繋がっている”ということを感じられる作りになっているはず。ただ、表現方法は全く異なります。今までの『ハイパーハードボイルドグルメリポート』はナレーションも吹き替えもなかったわけですから、一般的なテレビ番組よりも視覚に不自由を抱える人を置き去りにしてきていました。今回音声版を作ることでようやく、そういった人たちにも体感してもらうことができるのではと思っています。

 1回目は、右翼団体と左翼団体の人たちに取材しました。街中にいる街宣車の方に声かけて、一緒にご飯を食べに行ったんです。カメラがなくて音声だけだとすごくパーソナルな空間が出来上がって、こんなことまで話してくれるんだと驚きました。1人の人間の物語としてすごく興味深いものになっていると思います。

ーー音だけとなると、会話が途切れて環境音だけになる瞬間などもあるんですか?

上出:そうですね。そこがこれまでの音声コンテンツと違うところで、周辺の音も込みで物語が作られます。咀嚼音や食事の音も入るので、聞いているとお腹が減りますよ。映像だと顔の表情が見えますが、声色や声の表情というのも間違いなく存在していて、それに耳を傾けて心情を想像するのはおもしろい体験だと思います。

■番組概要
『ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision』
URL:https://open.spotify.com/show/4nNKlfOpKLybWKxhZ9lrzU
初回エピソード公開日:4月28日

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