GReeeeNはバーチャルライブの“先駆け”だったーー9年前から紅白までの軌跡を辿る

GReeeeNはバーチャルライブの“先駆け”だったーー9年前から紅白までの軌跡を辿る

 2020年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴うライブ・コンサートの自粛により、オンラインライブへの移行が多く見られた一年だった。

 数々のアーティストが工夫を凝らした演出をもって、現場にいなくても楽しめるライブや、映像だからこそ楽しめる方法を提示してきた。その流れ年末の国民的音楽番組『NHK紅白歌合戦』にも顕著に見られ、NHKホールを無観客状態で使用するからこそのデジタル・リモート的な演出方法が話題を呼んだ。

 そんな2020年の紅白歌合戦における出演者をあらためて見渡してみると、時代を先取っているかのようなバーチャルライブ的演出を、約9年前から行ってきたアーティスト・GReeeeNの姿があった。「時代が追いついた」とも言える印象的なステージだったが、GReeeeNのライブを見たことがない人にとっては、顔出しNGの彼らが、どのようにライブパフォーマンスをするのか、想像がつかないかもしれない。そこで本稿では、彼らのライブ演出が、いつから、どのように進化してきたのかを改めて振り返ってみたい。

 前提として、GReeeeNが顔出しをしていないのは、4人がそれぞれ歯科医師の仕事(デビュー時は歯学生)をしているからだ。だからといって、本人たちがライブをしたくなかったわけではなく、デビュー当時から顔出しをしないままライブを行う方法を模索し、いよいよ2012年にNHKホールで初のファン感謝祭『緑一色歌合戦』を開催。このときはハドソンとコラボしたNintendo DS用ゲーム『HUDSON×GReeeeN ライブ!?DeeeeS!?』で使った技術を応用し、スクリーンに4人の姿が映し出されたり、ニコニコ動画でも中継が行われるなど、早すぎるバーチャルライブが開催されたのだった。

 2013年から行われたツアー『俺らレボリューション』では、映像をモデリングに落とし込んで収録し、スクリーンに立体投影する技術を使用。2012年時よりも映像や技術側のアップデートがあり、4人の姿をさらに鮮明に観ることができた。

 以降も彼らは、2014年の『エレグリトリカルパレードへようこそ!』、2015年の『GReeeeN TOUR 2015 〜9周年だよ!10周年目前ツアー! 9SJ 〜』、2016年の『んなぁしたぁぁぁ〜…今日よりも好きになれる〜♪ツアー』、2017年の『GReeeeNと不思議のダンジョン〜失われた古代魔法を求めて〜』、2018年の『GReeeeNと不思議のももがたり~おこしにつけたきびだんご~』、2019年の『GReeeeNと不思議の管〜配水の人〜』と、毎夏のツアーでライブ演出のアップデートを行なっており、ファンもテーマパークを訪れるような感覚で、毎年ステージの上の4人に会うことを楽しみに会場へ足を運んでいる。そういう意味では、彼らのファンは誰よりもバーチャルライブの時代を先取っていたといえるだろう。

 ツアーを重ねて培った技術は、テレビの場でも存分に発揮される。2016年に『SONGS』へ出演した際はモーションキャプチャーでのパフォーマンスだったが、2020年7月にはNHK連続テレビ小説『エール』の主題歌「星影のエール」を手がけたこともあり、「NHKウィズコロナ・プロジェクト」連動の音楽特番『ライブ・エール』に出演。この時はパフォーマンス映像をNHKホールのステージにAR投影するという演出がとられた。

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