ニュース配信やLIVE機能も大成功、TikTokが次に注目するジャンルとは? GM佐藤陽一に聞く「2021年のビジョン」

TikTokが“場を作ること”にこだわる理由

ーー2021年に実装予定の機能について、教えていただけますか?

佐藤:『TikTok CREATOR'S LAB』で触れたのですが、TikTok LIVEのギフティング機能を3月1日から開始いたします。2021年は、ギフティング機能以外にも、クリエイターさんがコンテンツをマネタイズできる仕組みを増やしていきたいですね。皆さん楽しんで動画を制作していただいているのですが、時間やエネルギーがかかりますし、好きでやっているというだけだと、長く続けることはなかなか難しいと思うんですよね。

ーー今はクリエイティブに対して熱をかけて、純粋な気持ちで作っている方が多いと思いますが、マネタイズができるようになると、「お金を稼ごう」と考えるユーザーも増えるかもしれません。プラットフォームの雰囲気が変わってしまう可能性もあると思いますが、そこに関してはどう思いますか?

佐藤:お金がものごとを変質させてしまうことはよくあるので、気をつけないといけないですね。ただTikTokで活躍するクリエイターには、TikTokで動画を投稿している「TikTokクリエイター」としてではなく、「クリエイター」として世間に認知されるようになってほしいんです。そうすれば、TikTokが提供する広告やマネタイズの機会だけでなく、それ以外のチャンスも大きく増えます。ホームグラウンドはTikTokでありつつ、ここだけで完結せずに、いろんなところで活躍する人が現れてくれると嬉しいですね。

ーーTikTokの中だけで経済圏を作るわけではないんですね。他に実装予定の機能はありますか?

佐藤:新機能ではありませんが、特に青少年の保護のための機能はさらに強化していきます。例えば、保護者の方がお子様のアカウントを管理するための機能「ペアレンタルコントロール」は2019年から導入しているのですが、昨年はさらに新機能を追加し、安全性を強化しました。TikTokは未成年のユーザーも多いので、ここは責任をもって取り組むべき分野だと思っています。

ーーそれでは最後に、佐藤さんが描く、2021年のTikTokのビジョンとは?

佐藤:プロ・アマチュアを問わず、TikTokはエンターテイナーとオーディエンスを繋ぐ場としての機能をもっと担いたいですね。日本発のコンテンツが海外でウケる例もどんどん出てきています。TikTokを使って、日本のクリエイターが海外への発信力を強めていくお手伝いができたらいいなと思います。

 あとは、クリエイターさんたちが自由に楽しく創作活動するための、オープンなコミュニティー作りができたらいいなと。『TikTok CREATOR'S LAB』のあと、トップクリエイターさんたちのコラボが増えて、そのコラボがまた新しいユーザーを呼び込んで、フォローするファンが増えて、といういい流れが生まれています。クリエイター同士が刺激しあったり助け合ったりできるコミュニティの輪をもっと広げていきたいです。

ーークリエイター同士の関係性を楽しむ文化ができると、プラットフォームに人が根づきますよね。

佐藤:ホームグラウンドとしてTikTokにコミュニティをもって、利害関係に悩まされず、純粋に楽しんでほしいです。そのためには、ポジティブで安心して楽しめる場を作るのが、最重要テーマの1つですね。

ーーお話をする中で、健全なプラットフォームを作りたいという強い思いが伝わってきました。

佐藤:場を作ることにこだわっている理由として、もう1つ事例があります。

 コロナの影響で、病院の面会が制限されて、長期間入院している方がなかなか人と会えなくなっているのですが、そんな方たちが、世間の人と繋がりをもつために、TikTokを利用してくれているんです。病室であってもおしゃれをした様子や、食べたものをアップすることで、そこにコミュニティが生まれていく。ビデオを見た人の多くがコメントに応援メッセーじを残してくれる。こういう使われ方はプラットフォームとしてすごく光栄ですし、嬉しいですね。病室のベッドの上からでも動画を上げようという気持ちになるのって、場が温かくて安心感があるからだと思うので、引き続き安心安全に楽しく使ってもらえるよう、我々も頑張っていきます。

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