3大キャリア新プラン比較から読み解く、auが「Amazonプライム」を取り込んだ狙い

auはエンタメ性に特化してユーザーの満足度を上げる

 一方でauは料金よりも、利用率の高い動画配信サービスやサブスクリプションサービスをセットにすることでユーザーの満足度を上げる狙いだ。

 以前からバンドルプランとして提供していたサービスに加え、Amazonプライムが加わった格好だ。これらはデータ容量無制限のプランと相性がよく、5G時代に即したプランと言える。

 しかしこれらのサービスが選択型ではなく、バンドルされているという点は無視できない。それぞれに対応するため、プランが乱立してしまうのだ。

 さらに従来通り「○○割」に加入しなければ、料金は高いまま。なかには期間限定の割引もあるので、半年後・1年後に料金が高くなるということもザラに起きる。

 このようなプランの乱立と○○割は、「シンプル」からほど遠い。auはシンプルさよりも、ユーザーにとって便利なサービスと提携することで解約率を下げる方針のようだ。

シンプルかつ安さを取るか、気に入ったサービスのバンドルプランを取るか

 各キャリアの方針はまったく違うものだが、シンプルさや料金を最重要視するのであれば、ドコモのahamoやSoftBank on LINE(仮)がやはりおすすめだろう。どれが優れているというわけではない。自分にとって何が合っているかで考えるべきだ。

 サブスクサービスは個別で契約すれば問題ないし、バンドルプランと比べて少し高くなるが気にするほどでもないからだ。データ容量が20GBまでなので、その点だけ注意しておこう。

 逆にデータ容量を気にせず使いたいなら、auのバンドルプランがいい。動画配信サービスをどこでも観られるというのは大きなメリットだろう。ただし割引を利用しなければ料金はかなり高いので、できるだけフル活用しておきたい。

 ahamoやSoftBank on LINE(仮)は決まっていないことが多く、ユーザーにとっても見極めづらい。同じくauのバンドルプランも、サブスクサービスを選択型にするなど他にもできることがあるはずだ。

 どのプランも完成しているとは言えず、いい意味で進化する余地はあるだろう。特にバンドルプランはこのままだと、いたずらにプランを増やしていくことになる。今後どのようなプラン展開を見せてくれるのか目が離せない。

■津田まさき
家電量販店勤務で家電製品・ガジェットが大好き。ジャンルに偏りがない雑多ライター。アニメやゲームが主食。Twitter

トップ画像引用:https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2020/12/09/4856.html

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