マヂカルラブリー・野田クリスタルが展開する“野田ゲー”の奥深き魅力 中毒性のあるゲームを年末年始の休みにプレイ

 『M-1グランプリ2020』を制し、第16代M-1王者に輝いたお笑いコンビ・マヂカルラブリー。そのボケ担当・野田クリスタルは、独学で習得したプログラミング技術を活かして活躍するインディーズゲーム開発者としての顔も持つ。本稿では、そんな野田クリスタルが開発したゲーム、通称「野田ゲー」の魅力を代表的なタイトルをフィーチャーしたうえで紹介していきたい。

 「野田ゲー」の存在を広く世に知らしめたのは、今年3月8日に開催されたピン芸人の日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」に他ならない。野田は同大会で、太ももが鉄のように硬い男・てつじを操作する横スクロール2Dアクションゲーム「もも鉄」と、セクシーなお姉さんのストッキングをハサミでカットしていくアプリゲーム「モンスト」を実況プレイするネタを披露し、見事、優勝を果たした。ちなみに「R-1」で披露されたネタの原型ともいえる実況プレイ動画が、野田の公式YouTubeチャンネルに公開されているので、興味のある方は見てみると良いだろう。

もも鉄を実況プレイ【野田ゲー】

 野田ゲーの中には、ネタの素材として活用されるだけにとどまらず、実際にアプリゲームとして配信されているタイトルも多い。

 「ブロックくずして」もその一つだ。定番レトロゲーム「ブロックくずし」のフォーマットに、お笑い芸人・デッカチャンの顔面をぶち込んだ本作。プレイヤーのやることは、自動で動くバーに当たって飛び回るボールの邪魔にならないよう、デッカチャンの顔を動かしていくのみ。ボールが当たるほどにデッカチャンが巨大化し、4回当たるとゲームオーバーとなる。なぜ、操作対象がデッカチャンでなければいけないのか……。荒唐無稽で斜め上をいく発想が、どこか『M-1』の決勝で見せたネタに通じる気がしないでもない。

自分が作ったゲームを極めてくシリーズ「ブロックくずして」

 豊富な“吉本リソース”を使えるのが、野田ゲーの強み。その好例といえるのが、吉本の養成所・東京NSCを舞台にした恋愛シミュレーションゲーム「愛方さがし」だ。本作には、ニューヨークの屋敷裕政、ラフレクランの西村真二、デニスの松下宣夫などが実名で登場。プレイヤーは、NSCに入学した芸人志望の女の子となって、イケメン芸人たちと恋の駆け引きを繰り広げていく。

 ネタゲーのように見せておいて、その実、屋敷=ツンデレキャラ、西村=王子様キャラ、松下=天然キャラなど、恋愛シミュレーションゲームの定番エッセンスをしっかりと配合しているあたり、なんとも抜け目ない。それを、野田が一人で考えていると思うとなおさら面白い。

 テレビ東京系のゲームバラエティ番組『勇者ああああ』で披露され、その後、ゲーム・アプリ企画制作会社・ChronoJuvenileからリリースされた本格派アプリゲームが、「すごい事になりそうだ!!組体操合戦」だ。

伝説の落ちゲー「すごい事になりそうだ!組体操合戦」

 このゲームは、いわゆる「テトリス」「ぷよぷよ」と同じ要領の落ちものゲー。上から落ちてくる異なるポーズの生徒を組み合わせて扇、サボテン、ピラミッドなどの技を完成させ、生徒を消していく。粗削りな部分も少なくない野田ゲーだが、本作はゲーム会社が噛んでいるためか、かなりしっかりとしたつくり。オンライン対戦もできる本格派だ。

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