視聴者数はNBA超え eスポーツはZ世代、ミレニアル世代へのマーケティングアプローチに有効か

 今日、世界には25億人のゲーマーがおり、その市場規模は1,500億ドル(約15兆5,800億円)にものぼる。急成長するeスポーツは、Z世代・ミレニアル世代へのマーケティングアプローチに有効だという。

視聴者数はNBA超え。マーケティングのヒントが眠るeスポーツ業界

 毎月3億人以上のゲーマーにリーチしているEnthusiast Gaming(エンスージアスト・ゲーミング)のCOO、タンバ・タルマリンガム氏は、企業がZ世代(およそ1996〜2015年生まれ)とミレニアル世代(およそ1980〜1995年生まれ)をターゲットとする場合、マーケティングの一部にゲーミング戦略を取り入れるのは有効な手段だという。

 タルマリンガム氏によると、ゲーム業界の最大の特徴の1つは、ゲーマーは他のどのセグメントよりもはるかにアクティブなユーザーであることだ。

 現在、米国ではNBAやMLBよりも多くの人がeスポーツコンテンツを視聴している。その数はおよそ9千万人にものぼり、彼らにとってゲームはもはや生活の一部だ。ユーザーは朝目覚めた瞬間から、最新のeスポーツの順位と、関連コンテンツ、そしてリアルおよびバーチャルのイベントをチェックする。エンスージアスト・ゲーミングは、これらすべてを同社のプラットフォーム内で完結させているという。

 同氏は、「Z世代とミレニアル世代は、ブランドや企業との相互作用を求めている。彼らは社交的で、企業と関係を築きたいと思っている」と語った。エンゲージは商品の購入だけでなく、SNSのフォローや投稿のシェアなども含まれており、彼らがブランドに親近感を覚えると、良いプロモーターとなってくれるという。

 そしてまた、2つの世代のユーザーはインフルエンサーマーケティングに非常に良い反応を示すようだ。レブロン・ジェームズやテイラー・スウィフトなどのメガインフルエンサーでなく、“マイクロインフルエンサー”こそがその鍵を握っている。

 同社の調査によると、メガインフルエンサーを使用した従来のキャンペーンと比較して、マイクロインフルエンサーマーケティングは6倍の利益があったという。さらに、前者よりも、後者では18倍のエンゲージメントがあるのだとか。また、1万〜25万人のフォロワーをもつインフルエンサーのエンゲージが特に高いこともわかった。マイクロインフルエンサーには、単純なフォロワーの数だけではない“濃い”ファンがついているようだ。

 同氏は、「今やZ世代とミレニアル世代にとって、NBAよりもTwitchを見る方がはるかに魅力的な選択肢になっている」と語っており、この世代にアプローチしたいマーケティング担当者にとって、eスポーツの利用は有効な手法となるだろう。

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