GAFA解体をめぐる議論が激化、欧州ではどうなる?
強面委員の温和な発言に海外メディアは驚き
ベステアー委員はこれまで、厳格な姿勢でテック大手に向かってきたため、GAFA解体に反対のコメントは意外だと『MacRumors』は印象を伝えている(参考:https://www.macrumors.com/2020/10/28/eu-investigator-warns-against-big-tech-break-up/)。
ベステアー委員がGAFA解体に警告を発していることについて『9to5Mac』も、驚きを隠せない(参考:https://9to5mac.com/2020/10/28/surprisingly-europes-digital-chief-warns-against-breaking-up-big-tech/)。
解体の一つの案は、App StoreをAppleの他の事業から分離し、Appleが他のすべての事業者と同じ条件でAppStore内で運営することを余儀なくされるようにすることだ、これは、つまりApple MusicがApp Storeに30%の手数料を支払わずにアプリ内サブスクリプションを提供できなくなることを意味する。
App Storeの課金については、人気ゲーム『Fortnite』が異議を唱え謀反の動きを見せたことで、アメリカで別途、法廷闘争に発展している。
独占禁止法で考慮する事項については、ヨーロッパとアメリカで傾向が著しく異なる。米国は比較的狭い視野で、企業が市場を独占、またはほぼ独占的な立場にあるか、そしてその結果として消費者が現状、不利益を被っているかが論点となる。対照的に、欧州では、企業が支配的な立場にあり、新たな企業が競争するのを阻害しているかを考慮する。将来的に、消費者に不利益をもたらす可能性があるためだ。
GAFAに対して厳しい目が向けられていることには違いないが、アメリカとヨーロッパで異なった結論が導かれる可能性も十分にありそうだ。
(画像=Pixabayより)
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。