『水溜りボンドのANN0』第24回おさらい ロンブー田村淳が熱い思いを語った“伝説の一夜”
人気YouTuberコンビ・水溜りボンド(カンタ、トミー)がMCを務める『水溜りボンドのオールナイトニッポン0』第24回目が9月10日、放送された。ANN史上初のYouTuberレギュラーパーソナリティーとして注目を集めているラジオ番組をさらに楽しむために、今晩の放送を前に第24回放送の振り返りと今後に向けたポイントをお伝えしたい。
ナイナイ&出川の放送に、淳と乱入!
この週はANN全体がスペシャルウィークということで、1部の『ナインティナインのANN』には出川哲朗がゲスト出演。そして、なんと番組エンディングには、水溜りボンドの二人がスタジオに登場した。
恐縮する二人に、さっそく「今大人気なんでしょ、YouTuber?負けんぞー!!」と、対抗意識を燃やす出川が宣戦布告。「出川さんはYouTube見ない人やから」というナイナイの言葉に対して、「ぜひ、いつでも教えますから」「(僕らは)戦おうとしてないんで!」と安定の腰の低さを見せる水溜りボンドだった。
そしてこの後、『水溜りボンドのANN0』ゲストでロンドンブーツ1号2号の田村淳が来ると知った出川が突如、「淳来てんだろ!!」と挑発し、ついに淳もスタジオに登場するというスペシャルな事件が起こった。登場と同時に「YouTubeやらないとか古いですよ」と応戦する淳も手伝って、場の雰囲気は大盛り上がりだ。
岡村からの「なんでゲストに出ることに?」という質問に、「僕らが一番初めにTVに出させていただいたのが淳さんの番組なんです」と水溜りボンドが説明するなか、「(自分のスタジオ番組のゲストで)一番成功したのが水溜りボンドなんです」「僕が一番最初にベットしてるんで、これから回収に入ります!」と淳が笑いを誘う。すかさず矢部が「淳、久しぶりの深夜やから、寝てきたな。目腫れてる」と鋭いツッコミを入れると、「僕、(水溜りボンド)ANNの1部だと思ってOKしたんですよ! そしたら来てみたら2部だった!」という、驚愕の事実が明らかに。二人が動揺するなか、「おい! なんとかボンド!」と最後まで闘志を燃やし続ける出川……という、一つのスタジオ内にTV業界の第一線で長年活躍するレジェンドたちと、トップYouTuberである水溜りボンドが笑い合うという、歴史的な一幕が繰り広げられた。
ロンブー田村淳、登場
『ナイナイのANN』エンディング出演直後の二人は、番組冒頭から大興奮。前回放送で散々「挨拶は意味ねぇ! 俺は挨拶を芸能界からなくす!」というキャラを守っていたカンタまでもが「挨拶サイコーー!」と叫び、トミーに関しては「緊張とかいうレベルじゃなかった。口から心臓出たんじゃないかっていう……記憶もうないからね」と、熱が冷めやらぬ様子だった。
しかし、先ほどの淳の言葉に引っかかっている二人。初めてTVに出た際の恩人である淳に、勢いでオファーはかけてみたが、「深夜3時にまさか来ないだろう」というダメ元の気持ちも大きかったなかで、まさかの「『水溜りボンドのANN0』が1部だと思っていた」という発言。「色々な番組に呼んでくださって、返しきれない恩があるから、自分たちが呼べる立場になったときには、恩を返す意味で大きな番組に呼ぼうと思っていた」という二人は、「これ、また恩だよ!」と、深夜3時に来させてしまったことに恐縮しつつ笑うしかなかった。
「田村淳はANN2部にゲストで出たことがない」という前情報に、「もう一生2部には来ない、今夜は伝説の回になる」と二人が気を取り直した後、ついに淳がスタジオに登場。「やっと来れましたよ! 呼んでいただいてありがとうございます!」という淳の言葉に二人は感動した様子を見せる。先ほどの勘違いについては「水溜りボンドは当たり前に1部だと思ってた。まだ2部に居させてるだなんて、ニッポン放送がセンスないな」と、登場から数秒で二人の気持ちもファンの気持ちもガッツリと掴む淳に、「めっちゃ良い、超強え先輩いるなー!」とさらに感激する二人。しかし、もう1部が星野源や菅田将暉をはじめ、人気者でガチガチに固まっているなかで、「抜くとしたら、三四郎の枠だよね」と攻める淳。数ヶ月前に三四郎をゲストに迎えた二人は、「僕ら何も言えないですって!」と困りつつしっかり突っ込んでいた。
4年前の恩と、淳のこれまでの挑戦
現在はYouTubeチャンネル登録者数が400万人を超える水溜りボンド。まだ100万人登録も達成していなかった4年前、初めて二人がTV出演したのが淳司会の番組だった。淳は、その際に二人がスタジオで披露した“濡れない水に携帯電話を入れる”という実験企画も覚えており、「それからあれよあれよと人気が出て、100万人も突破して……俺、あんとき絡んでて良かった!と後から思った」と一言。それに対して、「あの頃はまだYouTuberという存在が世間的に下に見られていて、あまり良く言ってもらえない流れのなか、TVに出るのは恐怖だった」「(そんな中、淳に番組で良くしてもらい)TVでこんなに評価してくれる人いるんだと思った」「あの頃、TV側の人で唯一『YouTuberオモロくない?』と言ってくれた人だった」と感謝を語る二人に、「俺も自分のメディアを持つのが夢だったから、二人はそれをもうやってた……だから、ニッポン放送まじでセンスなくない?」と番組冒頭に絡め、場を和ませる淳だった。
「あの頃、TV側の人でYouTuberを好意的に認めるのって、風向き強くなかったですか?」というカンタの質問に対して、「俺は、ツイキャスとかニコ生とか結構早めに(配信を)やってたから」と、“TVの人”でありながらも、2010年頃という早い段階から“プライベート”で『淳の休日』と題して様々な最新メディアを駆使して実験的に動画配信を行ってきた経緯を語る淳。“ニコ生”ことニコニコ生放送にいたっては、その特殊な視聴者層や、もはや伝統にもなっている辛辣なコメントに耐性がなく「心が折れてしまった」という。反対に、Twitter社の配信サービスである“ツイキャス”は層がまた打って変わり、「コメントも優しかったから続けていた」とした。
カンタも当時の淳のツイキャスを見ていたそうで、「それでいうと、僕らより早く初めてますよね」というトミーに対しては、「あの頃はYouTubeもまだ始まったばかりで、よく分かってなくて、ツイキャスでいっかと思って、YouTubeを選ばなかった」という事情を明していた。チャンネル名に『淳の休日』というタイトルをつけた理由に関しては、「投げ銭や広告収益などでお金が発生すると所属事務所の吉本興業が嗅ぎつけるので、“休日”のプライベートでやっていることなら、とやかく言われないで済む」と思ったとのこと。筆者も一度、都内で淳氏が自撮り棒片手に自ら生配信している場に遭遇したことがあるのだが、撮影に気づいた若者を引き連れて、自由に楽しく振舞っていたのが印象に残っている。
再生回数の浮き沈みをどう乗り越えるか?
TVの仕事と現在通っている大学院の勉強で多忙を極める淳は、今年の7月から今月9月までの間、一旦YouTubeを離脱。相方の田村亮一人に任せたところ、再生回数が減少し、慌ててYouTubeに復帰することになった。そこで淳が投稿した最初の企画が、これまでの視聴者を戸惑わせるキッズ向け動画“アンパンマンのおもちゃ紹介”だった。
そんな攻めた動画で視聴回数を激減させたとして、淳は「そんな(急に数字が落ちる)ことない?」と二人に質問。「昨日まであんなに笑ってくれてたのに、急に皆そんな無視する?ってなるときはあります」と“再生回数の浮き沈み”というYouTubeあるあるを分かち合った。「なんなのあれ!?」と爆笑する淳に、「これが能動態の怖さですよね。TVだったらチャンネルを回す(ザッピングする)のが、YouTubeでは始めから“見る”か“見ないか”の2択になるから、よりシビアで」と分析するトミー。現在は安定して高い再生回数を叩き出している水溜りボンドだが、やはり二人も4年前、登録者が100万に到達していない頃には「100万再生の日もあれば、10万再生の日もある」という落差を経験していたようだ。
必然的に注目を浴びる企画と、トミーやカンタの個人にスポットが当たるような企画(例えば“トミーの脱臼”)では、当時は視聴回数の差が出ていたが、そこから、動画に二人の会話を多く入れるようにして、視聴者が二人のキャラクター自体に興味が持てるようなチャンネルを変化させていった。現在ではそれぞれの企画に対して、ターゲット層を理解できるようになったため、ある程度の再生数が読めるようになり、変動も動揺も少なくなったという。
「再生回数が低くても同じ企画を出してしまう」という淳に対して、「俺だったら、アンパンマンの企画は一生やらないです」と笑うカンタ。「もし、どうしても出したいのであれば、まず似たようなおもちゃで『面白いですよ』と印象付けた上で、満を持して再登場させる」というテクニックもアドバイス。「他の人がバズっている企画でも、僕らと掛け算になっていないと皆見ない。だから、僕ららしい企画をやる」と、常にデータを頭の中で更新させ、自分たちらしいことをやる、という水溜りボンドの本質が垣間見られた。