『さよならプロポーズ』シーズン2・第8話ーー「先の苦労を考えると別れたほうがいい」持病を抱えての結婚に立ち塞がる壁

「今日が一番、ユウ君の気持ちが伝わってきました」

 最終決断前日、ユウ(27歳)に持病を打ち明けたミドリ(27歳)は個別のインタビューでこう答えた。しかしこの7日間で将来への不安が解消されたわけではない。ミドリは涙ながらに心境を語る。

 まずはリュウイチ(30歳)とユカリ(32歳)の決断の旅6日目。いまだ俳優か結婚かで心が定まらないリュウイチだが、ユカリが食あたりでダウンしている間に出会った人との対話が、葛藤する彼の心を揺さぶった。

 リュウイチが一人で訪れたのは、マヤ系の先住民が暮らす村。昔ながらの暮らしを営む人々に興味を持ったリュウイチは、ある家を訪れた。夫がつくった野菜で料理をまかない、家族だけでなく兄弟や親族と一緒に食卓を囲むのが幸せだと話す女性に、リュウイチは収入面の不安を打ち明けると、彼女ははっきりとこう答える。

 「お金はもちろん必要よ。でもここにはお金よりも大切なものがあるの。神から授かったトウモロコシや大切な家族がいればお金なんかなくても幸せよ」

 彼女は「お金、お金、と言っていたら病気になる」とも言っていた。ユカリに話していたときには、明るく笑いながらこの言葉を伝えていたリュウイチだが、その場で彼女の言葉に耳を傾ける彼の表情は真剣そのもので、幸せとは何か、家族とは何かを考えているようだった。「なんかすごい素敵(な出会い)やった」とユカリに話すリュウイチの表情は晴れやかだったが、今回の出会いが彼の心にどう刺さったのかはまだわからない。

 そして、この日は奇しくもリュウイチの母の命日だった。ユカリは母想いのリュウイチを気遣う言葉をかける。過去の放送から、リュウイチの俳優へ夢にこだわるのは、母との約束が理由であると明らかにされている。彼の中で、夢、母、そしてお金に苦労してきた経験は、視聴者が想像する以上に、大きいのかもしれない。しかし番組MCの小籔千豊が「マヤの女性との出会いで、結婚に対して前向きになったように見える」と言っていたように、「お金、お金、と言っていたら病気になる」という言葉が、彼にとっての幸せを定めるきっかけになったようにも思える。ユカリはリュウイチの心が定まるのを待ち続けている。残りわずかな時間で、彼はどんな決断を下すのだろうか。

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