新型コロナウイルスの感染マップ装うマルウェア出現 フェイクニュースとの戦いは世界規模に拡大

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、リアル空間だけではなくインターネット空間でも脅威が高まっている。こうしたインターネット空間における脅威は、「よく見える」ことによって人々に感染する性質を持っているようだ。

関連ドメインの50%は危険?

 『BUSINESS INSIDER』は13日、新型コロナウイルスの感染拡大マップを装ったマルウェアが発見されたことを報じた。現在、感染拡大マップは急速に注目を集めており、アメリカでは世界最高峰の医学部を擁するジョンズ・ホプキンズ大学や大手メディア『The News York Times』がマップを提供している(トップ画像参照)。今回発見されたマルウェアは、こうした信頼に足る感染拡大マップを悪用したものだ。

 発見されたマルウェアは、まずEメールあるいはSNSとしてインターネットユーザの目にとまる。目にとまったEメールやSNSのなかには、新型コロナウイルスの感染拡大マップへのリンクが貼られている。そのリンクを開いてしまうと、ユーザのログイン情報や銀行口座番号等を盗み取るマルウェア「AZORult」が仕組まれたプログラムが実行されるのだ。

 テック系メディア『TweakTown』も、12日にこのマルウェアについて報じた記事を公開した。その記事は、セキュリティ会社Check Pointが実施した新型コロナウイルスに関連するマルウェアの調査結果を伝えている。その調査結果によれば、同ウイルスに関連するドメインの50%以上が悪意のあるマルウェアをPCにインストールするように設計されていることがわかったのだった。

スタンフォード大学を騙るアドバイスも

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って拡散しているのは、マルウェアだけではない。同ウイルスに関する誤った情報を伝えるフェイクニュースも、急速に広がっているのだ。テック系メディア『The Verge』は12日、こうしたフェイクニュースの一例を報じている。その偽りのニュースは、Google創業者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの母校としても知られるアメリカの名門大学スタンフォード大学の付属病院の重役からのアドバイスと称していた。

 その偽りのアドバイスによれば、「少なくとも15分毎に数回水を飲む」とウイルスを殺菌でき、また10秒間息を止めて「咳、不快感、こわばり、圧迫感等がなければ」ウイルスに感染していないことを確かめる、とのこと。これらのアドバイスは医学的根拠のない誤りである。(嘘の)アドバイスはさらに続き、新型コロナウイルスは「太陽に弱く」「26~27℃で殺菌できる」とも述べられているが、これも誤りである。

 『The Verge』の記事は、たとえ親しい友人や家族から新型コロナウイルスに関する情報を教えてもらったとしても、その情報が信頼できる情報源かどうかチェックすることが重要、と述べてフェイクニュースに対する注意を喚起している。

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