Appleにフランス当局が罰金30億支払い命令 iOSアップデートで消費者の誤解招いたため
フランスの競争・消費・詐欺防止総局(DGCCRF)は2月7日、米テクノロジー大手Appleが、怠慢により消費者に誤解を与える過失を犯したとして、2500万ユーロ(約30億円)の罰金を科すことを発表した。
2017年、オペレーティングシステム「iOS」のアップデートにより、古いiPhoneのパフォーマンスを低下させていたことが、ユーザーの指摘で明らかになった。Appleはその機能が、iOS 10.2.1で初めて導入されたことを認めている。
しかしバッテリーを交換すると問題が解決し、新しい端末を購入する必要がないことを顧客に伝えていなかった。また、以前のiOSバージョンに戻したり、機能を無効にしたりするオプションもなかった。
この機能は新しいデバイスの買い替えを促すためのものだと非難されているが、Appleは、バッテリー劣化による予期しないシャットダウンを防ぐためにピーク時の電力使用時にiPhoneの速度を落とすように設計されたと釈明していた。
物議を醸したこの機能は、 iOS 11.3ではオフにできるようになっている。
Appleはコミュニケーション不足を謝罪、罰金支払う
『MacRumors』は「AppleがiOSアップデートで古いiPhoneの速度を低下させ、フランス当局がで2500万ユーロの罰金科す」というヘッドラインで、詳しく報じている(参考:https://www.macrumors.com/2020/02/07/apple-fined-25m-euros-france-slowing-down-iphones/)。
記事によると、フランス当局は「消費者に知らせないことは、怠慢で誤解を招くビジネス慣行だ」と断じ、Appleは不正行為を認め、罰金支払いとWebサイトで1カ月間、プレスリリースを掲載することを受け入れた。
実際、この機能を故障や本体の寿命だと勘違いし、多くのユーザーが新たに端末を購入していた。しかしiPhone 6、iPhone SE、iPhone 7の速度低下の議論が沸き起こると、制裁内容の決定より以前に、Appleはコミュニケーション不足を謝罪し、影響を受けた顧客に格安でのバッテリー交換を提供していた。
その後、Appleは「Battery Health」という新たなソフトウェアを導入。バッテリー最大容量を調べて、iPhoneが性能を発揮できるかを示してくれるようになっている。