2次元と3次元を行き来するボーイズグループ・学芸大青春の展開と楽曲に感じた“可能性”

2次元と3次元を行き来するボーイズグループ・学芸大青春の展開と楽曲に感じた“可能性”

 VTuberを筆頭にしたバーチャルタレントの活躍が目覚ましく、2次元と3次元の垣根を越えて活躍する新たなタレントが登場しつつある昨今。中でも高い音楽性とユニークな活動形態によって注目されつつあるグループをご存じだろうか? それがVOYZ BOYらを擁するVOYZ ENTERTAINMENT所属の5人組、学芸大青春(ガクゲイダイジュネス)だ。

 学芸大青春は、相沢勇仁(あいざわゆうと)、星野陽介(ほしのようすけ)、南優輝(みなみゆうき)、内田将綺(うちだまさき)、仲川蓮(なかがわれん)による5人組ボーイズグループ。『A3!』などで知られる冨士原良がキャラクターデザインを担当し、2次元と3次元を横断する活動を通して話題を集めつつある。メンバーは寮で実際に共同生活を行ないながら、専用のスマートフォン用アプリ「バクステアプリ 学芸大青春」を通じてその日常やグループの活動の物語を配信。2019年9月にデビューシングル「JUNES」を発表して以降、これまでにYouTube上で5曲のMVを発表している。

 まず特筆すべきは、2次元と3次元を横断する活動の幅広さ。彼らは3次元のボーイズグループとしてリアルライブの場でパフォーマンスをする一方で、共同生活を送る日常や、活動を通じての試行錯誤を2次元のキャラクターによる「バクステアプリ 学芸大青春」で配信。このアプリは彼らの活動を追う形で更新されているため、「楽曲を聴く/ライブを観る」→「その裏側にある5人の物語や日常をアプリで楽しむ」という深堀りが可能になる。この2軸で生まれる“リアルでもバーチャルでもある”雰囲気が、学芸大青春の特徴になっている。

 そしてもうひとつ印象的なのは、音楽面での充実度。彼らの楽曲は欧米の音楽やK-POPとの親和性を感じさせるものになっており、エレクトロやヒップホップ、R&B、ロック、バラードなど曲ごとに幅広い音楽性を持っている。メンバーの中に歌とラップ担当が存在していることも音楽的な自由度を広げていて、多ジャンルを横断しながら歌/ラップを共存させている他、キックや低音など音の質感にもこだわりがあるため、ボーイズグループとしての華を持ちながら、性別を問わず音楽リスナーが純粋に楽曲を楽しめる雰囲気がある。

遂に解禁!『学芸大青春』1st Single「JUNES」/ 2次元と3次元を行き来する、前代未聞のボーイズグループ!!

 デビュー曲の「JUNES」は、アニメ/ゲーム作品に多数楽曲を提供するR・O・Nが担当したディスコ/ファンクを基調にしたヒップホップR&B。歌詞ではこれからの活動への期待やメンバー/ファンと過ごす「青い時間」=青春の輝きが描写されている。ボーイズグループならではの華やかな歌/ラップとキャッチーなメロディ、そして横ノリの心地よいグルーヴが素晴らしく、筆者自身も繰り返しも聴き入ってしまった。音楽性/歌詞ともに、グループを象徴するテーマソングのような楽曲だ。続く2曲目「youthful days」はエレクトロを基調にしたスラップベースが印象的なモダンR&B。歌詞では一度しかない青春がテーマになっており、実写で撮影されたMVにはVOYZ BOYのメンバーが出演している。

『学芸大青春』2nd Single「youthful days」

 3曲目「WHO WE ARE !」は、ラッパーとしての活動に加えてAKB48の楽曲などでもラップ指導を担当したマチーデフと、KREVAやサイプレス上野とロベルト吉野らにもトラックを提供するALI-KICKが作詞作曲を担当。ブラスを取り入れた華やかなヒップホップ/ファンクビートとキャラソン的な魅力を融合させて、メンバー全員で全編にわたって自己紹介ラップを繰り広げている。ピアノが弾ける蓮のラップパートではショパンの名曲「ノクターン第2番」が挿入されるなど、それぞれの個性を最大化する工夫も詰め込まれている。

ラップで自己紹介!5人の個性が一目瞭然!『学芸大青春』3rd Single「WHO WE ARE !」

 一方、4曲目「Race!」では、ギター・ロックやトラップの要素を交えながら、お台場から学芸大の寮までの道のりで競い合ったある日の出来事を楽曲に昇華。リアルでの出来事をバーチャルなキャラクターに転化した楽曲になっている。

お台場から寮までの帰り道を無駄にレースした逸話から…『学芸大青春』4th Single 「Race !」

 そして5曲目「星になれ」は、エレクトロを通過した静謐なミドルチューン。目標に向かって活動に打ち込むメンバーの姿が歌とともに語りのような台詞パートでも表現されている。どの曲にも言えることだが、学芸大青春の楽曲は、音楽リスナーにも訴えかける本格的な音楽性と、キャラソン的な魅力とのハイブリッドになっていて、こうした楽曲の数々は、バクステアプリでレッスンなど裏側の物語を体験することで、より歌詞の意味を深く理解できる。そのため、彼らの活動そのものが、リアルとバーチャルの相乗効果によって魅力を増すものになっているのも印象的だ。

落ち込んだ時にも互いに励ましあえる。共同生活ならではのエピソードを歌詞に…『学芸大青春』5th Single 「星になれ」

 また、この5曲のMVの最後には、新たな活動にまつわるキーワードが隠されていた。各MVの最後には、異なる文字が一瞬だけかすかに表示され、すべての文字を公開順に繋ぐと「漂」「流」「兄」「弟」「coming soon」となる。これは2020年1月からYouTube公式チャンネルと公式Twitterで配信予定の3Dショートドラマ『漂流兄弟』への伏線だった。このドラマでは、3Dモデルの5人が本人ではなく、樹根洲(じゅねす)家の兄弟役として出演する。

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