iPhone SE 2とiPhone 12シリーズは2020年リリース? その一方で販売戦略の変化も

Appleカードを持っていれば……

 iPhoneシリーズの高額化はiPhone Xシリーズがリリースされた辺りから拍車がかかっていた。そして、高額化と軌を一にするようにして、iPhoneの買い替えサイクルが長期化している。

 経済情報メディア『MARKET REALIST』は5日、iPhoneの買い替えサイクルを改善するAppleの施策を考察する記事を公開した。その記事が注目しているのは、先月30日に発表されたAppleカードの新サービスだ。今年中にも始まるとされているこの新サービスは、同カードを使えば無利子でiPhoneの購入資金を24ヶ月にわたって調達できるうえに3%のキャッシュバックもある、というものだ。つまり、かつて日本の携帯電話キャリア企業が行っていた機種の代金を24ヶ月間続く割引でほぼ相殺していたことをAppleが提供する、というわけなのだ。

 以上のような大胆なカードサービスの真の狙いに関して、MARKET REALIST の記事はAppleが提供するサブスクリプションサービスをバンドル化して利用してもらうことにある、と考察している。かつての日本の携帯電話キャリア企業が携帯電話の代金ではなく通話料金や各種サービスで利益を出していたように、AppleもiPhone本体で儲けずにApple MusicやApple TV+のようなサービスで利益を出そうとしている、と指摘しているのだ。

 もっとも、現時点ではバンドル化されたAppleのサブスクリプションサービスというものは存在しない。しかし、Appleがハードウェア企業からサービス企業に少しずつ重点を動かそうとしているのは確かなようだ。

トップ画像出典:phoneArena「iPhone 12 could be the most dramatic iPhone redesign in years」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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